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キーンコーンカーンコーン


学校のチャイムが鳴り彼らの周りにいた女子達はみんなそれぞれのクラスに戻ったり席に着いたりした。


私も自分の席に着く。


数分して先生が入ってくる。偉そうに何かを話し、HRは終了した。ちなみに何を話していたかは覚えていない。朝から坂田くんの顔や声をたくさん聞けて幸せいっぱいだったから。


そしたら学級委員の桂くんが教壇に立ち言った。


「席替えをしようではないか。」


「え?」


みんな茫然。その中で坂田くんが怠そうに声を上げる。


「んなことしなくていいじゃねーか。」


「何を言う。席替えも一種の学校行事だぞ。」


「ヅラ。面倒くせーことすんな。」


「ヅラではない桂だ高杉!!」


となんやかんや口喧嘩があったものの席替えをする羽目になった。


このくじで坂田くんの隣になれたらな、なんて少し奇跡を信じながら。


みんなくじを引いてわあわあ、きゃあきゃあと騒いでいる。


私はその中を通り過ぎくじを引く。


「9番……。」


ラッキー、後ろの席だ。


ウキウキ気分で席に座る。


隣は誰かな?と隣を向くと、


どかっ


「は、」


そこには銀髪さんがいた。


「あれ?隣姫路野じゃん。」


奇跡が起きたァァァァァ!!というか名前名前!!


「な、名前知ってた、んですか?」


「同じクラスだから知ってんだろ。」


ハ八ッと笑う坂田くん。やばい、すごくすごく嬉しい……。


と、我を失っている時だった。


「姫路野凛華、」


どきんっ


突然名前を呼ばれ身体全体が熱くなる。今なら湯を沸かせるぐらい。


「姫路野凛華、だろ?」


覚えていることがすごく嬉しくなった私は勢いよく首を縦に振った。


彼はその光景を面白おかしく見ていた。そして笑いながら手を差し伸べる。


「よろしくな、姫路野さん。」


私は人差し指だけを持って握手をした。








君との距離、約ゴセンチ








こんな奇跡二度とないよ。

だってあの坂田くんがだよ?私の名前を呼んで私の行動を笑っていて、手を握ってくれて。

今なら幸せすぎて天国に行けそうです。




 
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