( 2/3 ) 隊服に着替え食堂へと向かうため縁側を歩いていた。
「姫路野隊長、おはようございます。」
「あ、うん。おはよう。」
こうして平隊士にすれ違い際によく挨拶をされる。しなくてもいいのに、と思うがこれが社会のルールらしい。ルールには従わなければ。
「(確か今日は会議じゃ…。)」
やばい、遅刻したら切腹だ!
急に思い出した私はUターンし、会議室まで走った。
「おい、走んな。」
「あ、トシ兄。」
真撰組副長、通称鬼の副長の土方十四郎が隈をつくって立っていた。
「おはよう。また徹夜で作業?」
「ああ。どっかの馬鹿達が物壊したりしてな。大量の始末書を書かなきゃいけねーんだ。」
「あのー、ちなみにその馬鹿達って……。」
「お前と総悟以外誰がいる。」
「あわわわっ!!ごめんなさい!!お願いだからグリグリを頭にしないでェ!!背が縮むー!!」
「安心しろ。もう手遅れだから。」
「手遅れってどういうことよ!!私がチビだと言いたいのか!!」
「お、よくわかってんなァ。」 「チクショー!!トシ兄にも頭グリグリの痛みを思い知らしてやるー!!」
「ハン。やれるもんならやってみろ。」
155cmの私にはトシ兄の頭には届かず結局復讐できず。悔しさのあまり頬を膨らましている時だった。
「なーに凛華をいじめてんでィ。土方コノヤロー。」
トシ兄の頭をぐっと押さえ出てきたのは私の幼なじみであり、そして大好きな人、沖田総悟。真撰組一番隊隊長で斬りこみ隊長とも言われる。
「てめ・・・っ!?頭から手を離せ!」
「嫌でさァ。」
ニヤニヤと総悟がトシ兄を見下ろす。トシ兄の額には青筋が見えていた。
「総悟聞いてよー。トシ兄がまた私達のこと馬鹿呼ばわりしててさ、その挙句頭グリグリだよ?」
「そりゃ、副長の俺ァ黙りやせんぜ。」
「副長は俺だっつーの!!」
総悟の手を払い睨む。その時私は総悟と目が合う。無言で頷き、後ろを向いたトシ兄の足を引っ掛けた。
「て、め!!」
トシ兄は顔真っ正面から床とぶつかり怒りに震える。
ガチャ
総悟はバズーカを構え
「ぐっばーい。土方コノヤロー。」
トシ兄に放った。その瞬間私達は逃げる。
「待ててめーらァァ!!切腹だァァ!!」
「土方コノヤローが死なないのがいけねーんでィ。」
「んだとこらァァァァァァ!!」
こうやってふざけあえる、笑いあえる環境が大好きだ。 ← もどる →
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