( 4/4 ) ―――――――………
あれから時は流れ、江戸は春を迎えていた。
この時期は花見で楽しむだろうが私達真撰組はそうはいかない。
「えー、実はまた攘夷志士があちこちで騒いでやがる。」
「またー?止めてこいよ土方コノヤロー。」
「そうでィ、土方コノヤロー。ついでに巻き込まれて死んでくだせェ。」
「お前はほんっとに凝りねーな。」
「凝り?あぁ最近肩が凝ってんの。」
「まじかィ、俺もでィ。」
「やっぱり?最近デスクワークしすぎたせいかなー。」
「土方さんから回ってきた始末書のせいでィ。」
「そっかー。じゃあトシ兄のせいじゃん。」
「お前らの始末書だァァァ!!今までやってたのを感謝してほしーぐれェだ!!」
「……なんかのどかだね。」
「本当でィ。」
「人の話を聞けェェェ!!」
「まあまあトシ落ち着け。」
近藤さんがトシ兄を落ち着かせる。
青い血管が額に浮かび上がりながらも話を続けた。
「とにかく、だ。攘夷志士には気をつけろ。見つけ次第検挙しろ。以上。」
その言葉と共にわらわらと隊士達が会議室を後にする。
「相変わらず面白いねー、トシ兄は。」
「全くでィ。そういえばこんな作戦を立ててみたんでィ。」
「どんなのどんなの?」
ふたりで会話をしている時だった。
「沖田隊長。」
「「ん?」」
同時に声の方向を向く私達。
「あ、いえ、用がありますのは凛華隊長の方でして、」
「ほう。俺から凛華を奪おうってのかィ。」
「んなわけないよ。てか呼ぶ時は下の名前でいいのに。ややこしいでしょ?」
「いえ、それは、」
ちらり、と隊士が総悟を見る。
「凛華、て呼んでいいのは俺だけでィ。」
「というわけでして……。」
「、たく。総悟は。」
嬉しいと思ったのは秘密で。 今もこうして、 今日も私達はこんな感じの一日を過ごしていく。
こうして生きていけるのは今の環境があるからであり、そしてあの時の出来事があったからである。
総悟のせいで散々苦しんだし泣いたりもした。けどあれは全部いじめという名の愛として受け止めようということにしたの。
あの出来事以降、ふたりでこれを言ってお互いを励まし合ってるんだ。
「応援するから、頑張って。」 ← もどる
|
|