( 2/4 )
 
 
 
重い瞼を必死にこじ開ける。


「まぶ、しィ。」


目の隙間という隙間から光が入ってきた。


しばらくして光に慣れた私は辺りを見回した。辺りは白一色。しかもベッドは一つ。どうやら一人部屋らしい。


「……病室か。」


身体を起こし掌を見つめ、開いたり閉じたりする。


「私、本当に生きてるんだ。」


頭を触ってみる。包帯がグルグル巻きだ。


怪我をしているところの髪の毛は剃られていたが他は無事らしい。ま、目立たないから大丈夫か。


とりあえず私は誰かを呼ぼうとナースボタンを押そうとしたその時、


ガラッ


病室のドアが開く。


「あ、」


「え、」


そこにはたくさんの果物を抱えた総悟がいた。


「や、やっほー。」


片手を上げ挨拶をする。


バンッ


病室のドアを閉めズカズカとこちらへ歩み寄る。果物?そこら辺に投げましたとも。


ズン


目の前にいる総悟。何やら黒いオーラが漂っている。


「そ、総悟……?」


「凛華。」


ビクン、と低い声に反応する私の身体。


「…ゃ……う。」


「え?」


次の瞬間、


ぎゅぅっ


私は総悟の腕の中にいた。そして、


「馬鹿やろう……。」


声が震えているのがわかった。それだけ心配してくれたのだと自惚れていいのだろうか。


「ごめんね、総悟。」


私はサラサラとした蜂蜜色の髪の毛を掬いながら撫でる。


「……違うんでィ。」


「え?」


「俺が、俺が凛華を虐めすぎたからこんなことに。」


「え、ちょ、待て待て。どーゆうこと?」


蜂蜜色の髪が離れ今度は目と目が絡み合う。今なら恥ずかしさで死ねる。


「俺はあいつが好きだ。」


ズキン、


心臓がこれまでにないくらい痛い。痛すぎる。私、帰ってきた意味あるのかな。


「俺はお前にひとつだけ、」


「?」


「ひとつだけ隠し事をしていた。」


それとあいつは何が関係してるのだろうか。


「隠し事、て?」


「………それは、」


口ごもる総悟。


「あいつってのはな、実は」


「実は?」


ゴクン


唾を飲む音が響く。
 
 
 
 もどる 

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -