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こうして厳重警戒体制に入った私達は朝昼晩と見張りをつけることになった。


今晩は運がいいことに私と総悟ペア。


私達は真夜中の歌舞伎町を歩く。


「しかし攘夷志士も今更だねー。」


「確かに。なんで今頃になって出てくるかねィ。」


「ま、事件はTPOを考えないからね。」


「TPO?」


「え……、総悟知らないってことは、」


「当たり前でィ常識でィ。」


そう言いながらも早口になる総悟。焦っているのがモロバレだ。


「じゃあTは何?」


「Tは……………、タイムトラベル。」


「……Pは?」


「ピ、ピノキオ。」


「最後Oは?」


「………襲い掛かる?」


その瞬間吹き出してしまった。


「あはははは!!タイムトラベルしたピノキオが襲うの!?誰を!?」


ぎゃははは、と大声を出して笑う私の隣の総悟は微笑んでいた。


「よかった。」


「?」


「最近凛華、元気なかっただろィ?」


その言葉を聞き息を呑んだ。そんな私の状態を知っててわざと、


だから、と言葉を続ける彼。


「よかったでさァ。」


そう言って微笑む総悟は世界一優しいと思った。


「………ありがとう総悟。」


私もお礼のつもりでニコリ、と笑顔で返した。


「―――っ。」


その時総悟の顔は今までにないくらい驚いていた。


スッ


総悟の手が私の頬を撫でる。


「そ、総悟?」


「凛華……。」


気のせいだろうか、顔が近い気がする。


今までたくさんの時間を過ごしてきたがこんなに顔が近かったことはないハズだ。


これはもしや、


ギュッと目を閉じたその時。


ガキィィン


鉄と鉄が交じり合う音がする。瞳を開けると総悟が背後の敵の刀を刀で受けていた。


「……攘夷志士ですかィ?」


「だったらなんだァ?」


ザッ


ざっと見て50人の攘夷志士が私達を囲んだ。私も腰にある愛刀を抜く。


「真撰組零番隊長、一番隊長。いざ覚悟。」


ワアアアァァァア


攘夷志士が一斉に斬りかかる。


刀が交じり合う中、さっきのことが蘇る。しかしここは戦場。集中せねば。
 
 
 
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