( 3/3 ) 「はわぁぁぁぁぁぁ!」
「でっけーな。」
デパートに着き中に入ったらそれはもう、最高だった。まさに女物専門のデパート。
「か、可愛い……ッ!!あ、これも!!」
きゃあきゃあ、ひとりで騒ぐ。
「オイ凛華。そんな騒いでっと迷子になりやすぜ。」
「ならないよー。私もう大人だもん。」
「大人?誰がでィ。」
「私っ!総悟の目の前にいる私!」
「……充分ガキですぜ。」
「なにをォォォォ。」
ギリギリと冗談半分で睨み合っているときだった。
ドン
「あわっ!」
背中を押されてしまった。そしてそのままよろめいてしまう。
やばい!このままだったら地面さんとこんにちわになる!!
覚悟を決め目をつむる。
「…………。」
「…………?」
しかしいくら待っても痛みはやってこない。
恐る恐る目を開けると、
「ったく。危っなかしい奴だぜィ。」
総悟が支えててくれていた。
「あ、ありがとう。」
「ったく。」
そういうと同時に来た右手に温もり。
「え、」
「もう危っなかしいことはさせたくねーからねィ。」
「で、でもこんなところあいつに見られても大丈夫なの!?きっと勘違いしちゃ、」
私の言葉は止まった。総悟に口をおさまえられたからだ。
「大丈夫でィ。」
そう一言いい再び歩き出した。私はおとなしく引っ張られるまま着いていった。
しかし本当にいいのだろうか。あいつがこんな場面を見たら絶対勘違いするに違いない。
手を外そうと少しずらすが、
ギュッ
総悟がそれを許さなかった。
このまま一生繋げる関係でいれたらなあ。幸せだろうに。
ちら、と後ろ姿の総悟を見る。
この大きな背中と肩を並べて歩きたいと思う私はわがままですか?
……もう気持ちが溢れ出して止まらない。 私も我慢も限界です 「これでいいの、総悟?」
「へィ。なんかあいつに似合いそうだから。」
そう言う総悟の手には光に反射して光る簪があった。
私はそれが手に取られてとても嬉しそうに光っていたと思う。 ← もどる
|
|