( 1/3 ) ある専門家がいっていた。
恋する乙女は美しき。
これが嘘か本当かわからないが大体の人はこれを信じている。もちろん私も。
しかし毎日自分とは鏡の前で睨めっこをしているためどこがどのように変わったのかがわからない。
そんな私は今日も鏡と睨めっこ。
特に今日は。
「う゛ぅー。これ大丈夫かなァ?」
いつもと違う服装、髪、メイク。
そう今日は総悟も私も非番。だからあいつのためのプレゼントを買いに行くのだ。
「……はぁー。」
本当は行きたくない。買いに行きたくない。けど、総悟とは一緒にいたい。
ぐぃーっと自分の頬を引っ張る。………痛いよ。
私は矛盾だらけで都合のいいの女だ。
はぁ、
溜息をついた時だった。
「凛華ー?準備できやしたかー?」
「そそそそそ総悟!!」
障子にシルエットが見える。明らかに総悟のだ。
私は自分の頬から手を離し急いで鞄を持つ。そして障子を勢いよく開けた。
スパーン
「総悟!!結構待った!?」
「そ、そんなに慌てなくても。」
クツクツ、と喉の奥で笑う。
「いやだって、総悟、待たされるの嫌いじゃん……?」
そう、総悟は待たされるのが大嫌い。約束しててもその時間に来なければすっぽかしてしまうぐらいだからだ。
私もそういうのは嫌いだからやらないし、したことがない。けど今回やってしまった。
下に向けていた顔を上げる。
総悟と目が合った。彼はもう笑っていなかった。
そして、
「別に俺が早く来たくてきたんでィ。待たされてなんかねェ。」
そう言ってふんわりと笑った。
「さァ、行きやしょうか。」
「……うん!」
その笑顔が恰好いいと思わず可愛いと思ったのは内緒。 もどる →
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