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ウィーン


大江戸スーパーの中へ入ると、外のムンッとした空気は遮断され、代わりに冷たい風が私を包み込む。


「涼しいぃぃ。」


実は今日の夕ご飯の下準備をしようと冷蔵庫を開けたらびっくり。ほとんど空なんです。


というわけで大江戸スーパーまでお買い物にやってきました。


「あ、玉葱安いな。おぉ!キャベツも!!」


玉葱、キャベツ、あとは人参、茄子。これらをカゴの中へポイポイ入れる。


今日はこれらで野菜炒飯でも作ろうかな。でも一品じゃ足りない。食後のデザートも欲しい。


私は重たいカゴを持ちながらアイスコーナーへと足を進める。


「あれ、あの子………。」


アイスコーナーの前で指を加えぼんやりと立っている女の子。


確かこの前銀さんのお家にいたよね。ってか1番最初に出てきた子だよね?


「どうしたの?」


「凛華…。」


ぎゅぅぅっとしがみついてくるこの子。


え、すごく可愛い。


「えっと、何ちゃん?」


「……神楽アル。」


「神楽ちゃん。どうしたの?物欲しそうな顔して。」


神楽は黙ってひとつのアイスを取り私に突き出す。


「酢こんぶ、アイス?」
 
 
なにそれ、美味しいの?


酢こんぶとか酸っぱいじゃん。まさかあの酸っぱさを売りに出したの?倒産覚悟で?すごいわ。


「欲しいのに買えないアル。」


「え、どうして?」


「万年金欠野郎のせいアル。」


なんとなく銀さんが思い浮かんだのは気のせいだろうか?


「……よおし!!わかった!!可愛い神楽ちゃんのためにこのアイス買ってあげるよ!!」


「本当アルカ!!」


あれ?ニヤッて見えた気がするよ。なんか黒い笑み浮かべてる気がするなあ。まあ、気のせいかな。


「( ふふふ。作戦成功アル。 )」
 
 
 
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