( 1/3 )
p 
 
 
僕らは必ず危険な道を歩いていく。それはけしてわざとではない。


大丈夫だろう、と安易に後先考えて進んでいく。そういうところだけは堂々としていて美しい。


周りからは恰好いいとちやほやされ自分も満足。


しかし歩いていくうちに気づく。


なんか茨が多いし、それに足元も暗い。


もしかして、そう思ったが最後。穴の奥底へさようなら。


そしてこの時初めて僕らは恐怖を感じる。










はああぁぁぁぁぁぁ!!


ガキィィィン


刃と刃がぶつかる音がする。先程からこの音しか聞こえない。


戦っている二人の周りは刀傷だらけだった。


「これでも喰らうがいい!!」


ぎゅっ


万斉は弦で私を縛り付ける。


だが、


「クソォォゥゥ!!」


ぶち ぶちぶち


「無茶苦茶でござる……。」


最高に固い弦が切れていく。その度に私の体から血が流れる。


「赤彪殿、貴様は何がために戦うのだ。」


「何がため?」


フッ、口元が笑う。


「そんなものひとつに決まってます。」


ビュッ


刀を振り、血を振り払う。


己の魂の叫びに従っただけよ。」


「……ほぅ。」


「赤彪は理由ありで戦う。理由が無い戦いは好まない。しかし理由が無くとも刀を手にとる時がある。


己の魂の叫びが聞こえた時。」


ガキン


ガキン


話しながらも万斉にする攻撃はやめない。


「人間、魂の叫びには逆らえないのよ。」


「戯れ事を。」


「戯れ事で結構。それを貫き通す魂が存在するなら。」


息を大きく吸う。


そして地面を勢いよく蹴った。
 
 
 
  もどる 

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -