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「は、は、はっ!」


江戸中を走り回る。しかし奴の姿は見当たらなかった。


「―――くそっ!!」


俺は地面を勢いよく踏む。しかし地面はびくともしない。それが余計に腹が立つ。


「ありがとう、銀さん。」


あれ以来、凛華の姿は見ていない。


もしかしたら、と思い凛華の家を訪ねたが留守だった。大家にあいつが何か言っていなかったか聞いてみた。


「なんかねェ、凛華ちゃんが1ヶ月以上帰ってこなかったら家を渡すとか言ってきたのよ。どうしたのかしらね、急に。」


もしかしたら、が的中した。


凛華が出ていってまだ数時間しか経っていない。


そう遠くには行ってないはずだ。


「凛華………。」


やっぱり聞くべきではなかったか。


彼女は自分の正体がバレたからここにはいられない、と思い出ていったのかもしれない。


「っざけんな……っ!」


まだ伝えてーことがあんだよ。伝えてーことがあんのに勝手にいなくなるとかアリかよコノヤロー。


その時、


「旦那ァ。そんなに慌ててどうしたんでィ。」


アイスを食べている総一郎君がいた。


「総一郎君!」


「総悟でさァ旦那。いい加減覚えてくだ、」


総一郎君が全てを言い終える前に俺は肩を掴んだ。


「凛華知らねーか!?」


「………凛華?」


「あぁ!この前レストランで会ったやつだよ!!」


「あいつですかィ。さっき見やしたよ。」


「どこで!?」


肩を掴む手に力を入れる。


「……港。」


「あ?」


「あっちにある港に向かって歩いてやしたよ。」


「、さんきゅ!」


肩を掴んでいた手を離し港へ向かい走り出した。


「……嫌な予感がしまさァ、旦那。」


沖田は携帯を取り出した。
 
 
 
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