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先日俺は雨の中、あの場所でうずくまる凛華を見つけた。


何気なく話し掛けた俺は絶句した。


怯えていた。


その怯え方も小さい女の子がカタカタ震えて「怖い」を連呼しているのではなく、ただ自分の身を護るように疼くまり声をひたすら殺していた。


それを見て何故か愛しいと思った。それと同時に護りたい、と思う。


「ぎ、さん。」


弱々しい声で俺の名前を呼ぶ。この顔は、この声は。昔を思い出し泣いているやつが出せるものだ。


「馬鹿野郎……っっ!!んで、なんで俺を庇いやがったっ!!」


あいつの傷を手で塞ぐが無駄で、ドクドクと赤紫の液体が俺の手を染めていく。


「馬鹿は、お前、だ、銀時。今、お前がここで、死んだら残りの、モンはどうすんだよ。」


「アイツらは俺がいなくてもやってけるだろう!!なんでこんな俺を……。」


「銀、時。俺ァ、あんたといて、たくさん学べた。」


「やめろよ。んな過去みてーな言いかたしやがって……。まだまだこれからだろ?」


「………。俺ァな、幸せモンだ。こうやって、剣、握れて、銀時に、会えて。…………抱きしめられて。」


「馬鹿。んなのいつでもしてやる。だから、」


抱きしめたあいつの体はだんだんと冷たくなっていく。


「生、きろ。俺が救った、その命、捨てて、こっちに来たら、ブン殴るから、な。」


「   ッ……!!」



昔を思い出しハッと我に返る。


とりあえずわけもわからず凛華に謝っていると手を握られた。


「大丈夫、ですのでもう少しだけこのままで…。」


急に手を握られたのは予想外だったのでびっくりした。それと凛華の手が暖かかったので少し安心した。


しゃがみ込み凛華の顔を見る。恐怖に満ちた顔をしていた。


この目は……。
 
 
 
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