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「それでは、用件も済んだのでおいとまさせて頂きます。」


「ああ!ちょっと待てよ。」


そう言って彼は懐から慌てて何かを取り出し渡す。


「万事屋銀ちゃん、坂田銀時…?」


ここの名刺だろうか。ご丁寧に住所も電話番号もきちんと書いてある。当たり前か。


「あぁ。俺ァ坂田銀時っつーんだ。お前は?」


「あ、紹介遅れました。私は姫路野凛華と申します。」


「凛華か。そんな固く喋んなよ。気楽にいけ。」


「は、はい!」


まさかこんなに親しくなるとは思わなかったので少しビックリする。


「それじゃあ私はこれで…。」


「おう。」


そう言い横に並ぶ彼。


「あの、坂田さん?」


「俺は銀さんか銀ちゃんって呼ばれてる。」


「あ、えっと、そのことではなく、どうして坂田さんは」


「俺は銀さんか銀ちゃんって呼ばれてる。」


呼んでほしいのだろうか?


「………銀さん?」


「っっ!!」


「?」


首を傾げ名前を呼ぶと彼は顔を赤らめた。なんで?


「銀さんのお家はここですよ。」


「女の子ひとりは危ないでしょ。だから銀さんが送るの。」
 
 
「あ、ありがとうございます。」


この会話をしている頃、ツバメは地面すれすれに飛んでいるのが見えた。また雨が降るのだろうか。


もし降ったらまた会えるかな。少し期待を寄せながら次会えるのを楽しみに。







淡い期待






「( やばい。さっきの仕草はやばかった。可愛すぎ…。 )」

「銀さん大丈夫ですか?顔真っ赤ですよ?」

「お、おう。銀さんピンピンしてるぞ。

( 頼むからその仕草やめてェェェェ!!可愛すぎだからァァァ!! )」

 
 
 
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