( 3/4 )
 
 
 
「ぎ、さん。」


後ろで弱々しい声が聞こえた。振り返ると、


「凛華!?」


俺の流しをぎゅっと握りしめ泣き崩れた凛華がいた。


その時、


「遊びはおしめーだ。」


ガキィン


高杉が容赦なく攻撃をしてくる。続いて繭果も楽しんだ顔をして襲ってきた。


俺はそれを必死に打ち返す。


そんなとき、凛華が弱々しい声でまた話す。


「ぎ、さんが」


ガキィン キン キン


「なんだ!?聞こえねー!!」


刃と刃のぶつかる音でよく聞こえねェ。


「銀さんが優しくするから


頼っちゃうじゃんかぁぁぁぁぁぁぁ!!


その瞬間、


「ぐっ!」


「わっ!」


ドガァァン


俺は高杉と繭果を吹っ飛ばした。


凛華が目を開いてこちらを見ている。


「白夜叉、貴様ァ。」


今まで黙って見ていた万斉が口を開く。


「悪ィな。加減できなくなっちまった。」
 
 
ニヤニヤと口元は緩まない。やばい。今の俺はすげー幸せだ。


「凛華、耳かっぽじってよーく聞け。」


「……?」


ガラガラ


高杉と繭果が鬼の形相で崖から出てきた。万斉も戦闘態勢に入っている。


「俺ァな、今までお前に悪ィからって気持ちを封じ込めてた。けどなー俺には無理だったみてェだわ。」


チャキッ


木刀をおさめる。


そして、


「俺、お前が好きみてーだわ。」


「………え。」


「好きな女に頼られて嬉しくねー男なんざいねーよ。」


「好き、」


「あぁ、好きだ。」


俺は凛華の前に仁王立ちする。


その瞬間、


「遅ェお出ましだなァ。」


ドガァァァァァン
 
 
 
 もどる 

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -