( 1/4 ) 大事なおとしもの。
それは俺が拾うのではなく、他の奴に拾ってほしいのではない。
お前だけ。
お前に拾ってほしいそれは早く早くと急かす。
お前はそれをただ呆然と眺める。
その様子を俺はじっと見守っていた。
そして今、 「凛華……。」
コンテナの山々を抜けたその先、そこにはずっと探していた逢いたかった凛華の姿があった。
「凛華っ!!」
俺は凛華の元へ走る。が、
「来ないで……っ!!」
両手を前に出し俺が来るのを拒む。突然のことで何がなんだかわかんなかった。
「んでだよ……。」
だが俺は歩むことを止めない。
「ダメ、来ちゃ、ダメです……。」
と、その時
ガキィィィン
俺の木刀と刀がぶつかり合う音がする。この光景を凛華が目を見開いて見ていた。
「そういうことか。高杉晋助。」 ギリギリと刀で押すことを止めない人物、高杉晋助がいた。
「ククッ。久しぶりだなァ銀時。」
「嬉しくねー再会だけどな。」
ガキィン
高杉を振り払い距離を置く。俺はすぐに凛華の前に立った。
繭果も高杉のところへと駆け寄る。
「オイ繭果。俺は銀時を足止めしろと言ったんだが?」
「兄貴と銀ちゃんの再会を手伝ってあげたんだよ。」
「チッ。余計なことを。」
「いいじゃねーか。お互い再会できたんだし。」
そう言って俺達の方へと向き直った。
「銀時、てめーも余計なことしやがって。」
「うるせー。凛華を巻き込むからだ。」
二人の視線に火花が散る。
「凛華、返してもらうぜ。」
「そうは行くかよ、なァ赤彪?」 もどる →
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