( 1/3 ) 人間は必ず大きな何かを持っている。
それは夢だったり愛だったり希望だったり、欲望だったり。
それらは自分達が成長していくにつれ大きく、また大きく育っていく。
気がつけば自分が飲み込まれていてふっと周りを見渡せば、
「あ、ぁぁ、ぁ。」
愛と恐怖しか見えなくて。 「騙されてた……?」
あまりの衝撃の出来事にさっきまでの怒りは収まっていた。
「そうだ。お前は俺の掌で転がってたんだよ。銀時もな。」
「!!?どうして銀さんが!?」
「さァな。繭果から聞いた話じゃァこっちに向かっているらしいけどな。」
「―――!!」
港行く時に総悟さんに見られたのがまずかったか。
「まあ何にせよアイツは邪魔だ。」
邪魔、
その言葉の意味を私はよく知っている。
「待って!!銀さんは何も悪くない!!」
「悪くない?」
ククッ
喉で笑う高杉。
「アイツは余計なことをしたんだよ。」
「余計な、こと?」
「本当は繭果がお前を連れて来るつもりだった。」
「連れて来る……?」
まさかこいつら。
「それなのによォ攘夷戦争のもう一匹の英雄、白夜叉が乗り込んできて、」
「計画が少し崩れたと?」
「そういうこった。」
「でもこれを聞いているからに計画が少し崩れてもあなたたちに支障は見られないけど?」
「ククッ、まぁな。」
ゴァ
高杉の殺気が急に溢れ出てきた。
「さァ、そろそろ交渉をしようじゃねーか。赤彪さんよォ。」
「………交渉?」 もどる →
|
|