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は、は、


短い呼吸が静まり返った部屋に響く。さっきまで響いていた刀の音はもうしない。


目の前には首元に刀を向けられた万斉がいた。


「お見事、さすが赤彪殿。」


「赤彪、赤彪うるさい。私は姫路野凛華です。」


「それは失礼した凛華殿。」


「そんな雑談はいらない。」


チャキッ


刃を首に埋め込む。万斉の首から赤い液体が出てきた。


「親父さんを返せ。」


「………あの店の親父さんか?」


「そうよ、私の大切な、人の親父さんを…。」


「そいつァ残念だったな。」


後ろから万斉ではない声が聞こえた。


ビュオン


万斉を突き飛ばし後ろに刀を振り下ろした。しかし呆気なく受け止められた。


「―――ほぅ。こりゃぁ噂以上の身体能力だなァ。」


「何言ってんですか。こんな軽々しくとめてるくせに。」


「これでもかなり体力使ってるぜ?」


「それよりさっきの言葉どういう意味ですか、高杉晋助さん。」


「クククッ。」


ガキンッ


二人の間に距離ができる。万斉は既に高杉の後ろにいた。


「よォ。派手にやられたなァ万斉。」


「晋助も感じただろう。噂以上だ。」


「ククッ。最高じゃねーか。」


高杉は万斉から目を離し私に顔を向けた。それと同時に構える。


「本当残念だったな赤彪。」


「―――どういうことよ。」


「お前は既に俺達鬼兵隊のカゴの中さ。」


「!!」


「最初から騙されてたんだよ。親父さん誘拐した手紙も写真も、今も。」


「〜〜〜〜〜〜っ高杉ィィ!!」


「仕方ねー。全てはお前と俺のためだ。」
 
 
 
 
 
 
 
茨道
 
 
 
 
 
 
 
この時確信した。

私は今までこいつらの掌で踊っていただけなのだ、と。

そう考えた瞬間、怯え逃げ出したい気持ちが溢れ出てきた。

 
 
 
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