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「――――宴、だと?」


「そ。今世紀最大の宴だよ。」


高杉繭果はコンテナの上に座り話す。刀は鞘に収めてるので戦う気はないらしい。


が、殺気はものすごくたっている。


「銀ちゃん知らないだろ?」


「あ?」


「赤彪の秘密。」


「秘密だあ?」


ニコリ、と効果音がつきそうな笑顔で返事をする。


それが背中をゾッとさせた。


「赤彪は爆弾を抱えてんだよ。」


「爆弾!?」


「血に染まりてーっていう欲望という爆弾をな。」


クククッ、と喉で笑う。奇妙で鳥肌が立つ。


ここまで聞いて俺は確信した。


「………てめー、まさか。


凛華を利用して江戸をブッ壊すつもりか?」


「やっと気づいたかァ?」


アハハハハ、渇いた笑い声が空に響く。空は既に夕暮れだった。


「でも銀ちゃんはひとつ間違ってる。」


「………。」


「利用、ってのは使ったら捨てんだろ?


私らは姫路野凛華を身も心も鬼兵隊に染めるのさ。」


「〜〜〜〜〜てめェェ!!」


「いやあ、さすが兄貴。考えることが大人だわ。」


まさか、こいつ!


「オイ、繭果。」


「んだ?」


「もしかして今回の幕府関係者殺人事件は、お前ェの仕業か。」


繭果はスクッと立ち上がり答えた。


「なあに、赤彪をおびき寄せるためのほんの少しの茶番さ。」


「―――っ!!」


こいつは茶番で人を殺せるようになったのか。なんて変わりようだ。


「ま、見事に作戦成功。今頃万斉と殺りあってるんじゃない?」


「ヘッドホンヤローとか!?」


俺は凛華がいるであろう港に走っていった。が、しかし、


「ねぇ銀ちゃん。人の話聞いてた?」


目の前にいつの間にか繭果が立つ。


「どけよコノヤロー。」


「兄貴の邪魔すんなよ。」


「兄貴の邪魔だァ?邪魔はお前ェだろ。」


「調子乗んなよ。私身内殺すの嫌いなんだ。」


「誰が身内だコノヤロー。こんなできの悪ィ奴身内じゃねーよ。」


ガキィン


刀と木刀が交じり合う。


「………今更だけど私昔から銀ちゃん苦手だ。」


「そりゃあ奇遇だな。俺もだ。」
 
 
 
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