( 2/3 ) 「……そっか、聞いたんだ。」
昔のこと聞いたんだ。
「あぁ。お前ェが寝てる時にな。」
真っ直ぐな赤い瞳。その瞳は私を捕らえて、離さない。
「……銀さん。鏡持っていますか?」
「鏡か?いや、持ってねー。」
よくわかっていない銀さんを置いて、鏡を探すべく辺りを見回すとトイレがあった。
「ちょっと待ってて下さいね。」
私はトイレに走っていった。
バタンッ
勢いよく扉を閉める。
顔をあげるともうひとりの私がいた。
「………。久しぶりね、私。」
指を目に近づけた。
――――――――………
「遅いなー。」
凛華は突然鏡を探しトイレに入って数十分経ったがまだ出てこない。
「………。」
しかし、凛華が赤彪と聞いた時凛華は否定をしなかった。ということはそういうことになる。
もしかしていきなり聞いたからビックリして泣いてんのか?
ガタッ
俺は席を立つ。そして凛華が入ったドアを叩く。
「凛華、凛華……!!
悪ィ、俺お前のこと考えてなかった。びっくりさせてごめん!けど、」
ガチャッ
扉が開く。そこには紫の瞳をした凛華がいた。
「ありがとう。銀さんは優しいですね。」
紫の瞳で俺を見る。
「これが本当の私です。」
紫の瞳に先程とは全然違う雪肌の凛華がいた。
「……きれー。」
つい心の中の呟きがでてしまった。
「私は銀さんの瞳の方が綺麗だと思う。」
とりあえずトイレ前から移動し、そこらの席へ座る。
そして凛華はゆっくりと口を開いた。
「私は姫路野凛華こと赤彪です。あの攘夷戦争の赤、彪です。
実は銀さんとも一度お会いしたことがあります。」 ← もどる →
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