( 1/3 ) 「ん、ぅ?」
いつの間にか私は眠っていたみたい。視界がぼやける。それを必死に見えるようにしようと目を擦る。
「あれ?ぎ、さん?」
「そ。銀さんでーす。」
そこにはこちらに体を向け頬杖をしている銀さんがいた。
もしかして、寝顔見られた!?
「いいいいつからいたの!?」
「んー、少し前ぐれーかな。」
「そ、そうなんだ。」
なんだ普通だ。もしかしたら見てないのかもしれない。
「あ、そうだ。」
「?」
銀さんが思いついたように話した。
「寝顔、可愛かったぜ。」
「¢£%#&*!!?」
や、やっぱり見られてたァァァァアア!!
「あああの見苦しいものを……!!」
「いや、だから可愛いって。」
「はわわわ!」
可愛い、と言われ慣れてない私にとってそれはとても恥ずかしかった。
慌てていると、
ポン
私の頭の上にゴツい手がのった。そして優しい手つきで頭を撫でる。
「?」
銀さんが私を見る目はいつもと違った。
いつもは綺麗で真っ直ぐな目をしているが、今はひどく哀しい目をしていた。
「ぎ、さん?」
「俺さ、周りに嘘つけるほど器用じゃねーんだ。」
ぴたり
頭を撫でる動作をやめる。
「だから単刀直入に聞く。」
あぁ、そうか。ここまで言われてわかった。親父さん話したんだ。
「今回の事件、凛華……赤彪のお前が絡んでんのか?」 もどる →
|
|