( 2/3 ) 「まぁぁぁぁたスッちまったよオイ。どうしてくれんだチクショー。」
パチンコ帰り、俺は頭を抱え悩んでいた。
いや、今日は絶好調だったのよ。途中まではな。なんであの時やめなかったかなー。よし、糖分摂取して忘れよう。
俺はそこらにある甘味屋に足を運んだ。
「へい。いらっしゃい。」
そこは歴史古そうな建物だった。パッと見た感じは汚いが落ち着けるのは気のせいじゃない。
「ありゃ。お客さん初めてだねい。」
「たまたま寄ってみたんだ。」
「そりゃありがたいね。」
カウンター席に座りメニューを見る。
「ん?」
隣には既に先客がいた。
「悪いねお客さん。ちょっと寝ちまってるみてーでさあ。」
「いやいや、構わねーよ。」
そう言いいちごみるくパフェを頼む。親父さんはのれんの奥へと消えた。
俺はパフェができるまで暇だったので横にいる人を盗み見る。
「女じゃねーか。」
しかしこの姿。どこかで見た気がする。
「うーん。誰だったっけなー。」
この姿。後ろ姿。ぜってー知ってるよ、うん。
「うぅ、ん。」
ゴロン、と女の顔がこちらに向く。
「あ、」
凛華じゃねーかよ。
「ありゃお兄さん。この子と知り合いかい?」
「あ、あぁ。まあな。」
突然現れた親父さんが俺にいちごみるくパフェを手渡す。俺はそれにかぶりついた。
「なあお兄さんよォ。」
「ふぉ?」
「ちょいと昔話聞いてくんないかねい。」
「昔話ィ?急だなオイ。」 ← もどる →
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