( 3/3 ) 神楽と新八を別の場所に移動させ、話を続けた。
「赤彪。」
ドックン
総悟さんが放った言葉は私の心臓を高鳴らせた。
「赤彪だァ?」
「へィ。攘夷戦争に参加していた旦那なら聞いたことあると思いやしてねィ。」
「銀さん、……攘夷戦争に参加してたの?」
「あ、あぁ。まあな。」
なんか気まずそうに頭を掻いた。
やっぱり、思った通りだ。
「で、なんか知ってんのかよ。」
「まあまあ。そんな焦るなって。確か、こんな噂話は聞いたぞ。
雪肌に血を塗り付け紫の瞳輝かせ異国人駆る姿、彪の如し。目を付けられば二度と世に生無い。
とかなんとか。」
「雪肌か……。」
「雪肌で紫の瞳ですかィ。」
「赤、彪。」
私の呟きが聞こえたのか土方さんはこちらを見た。
「んだ?なんか知ってんのか?」
「い、いえ。名前を聞いたことあるだけです。」
「……オイオイ多串君ー。うちの凛華ちゃんをその瞳孔開ききった目で見ないでくれるー?凛華が怖がるからァ。」
「うるせェ!これは生まれた時からこうなってんだ!」
「じゃあ死ぬしかありやせんね。」
「総悟ォォォォ!?」
銀さんはコップに入った水に口を付けテーブルに置く。
「でもさー。なんで急に赤彪について聞いてきたんだ?」
「実はですねィ、最近頻繁に起こっている殺人事件。あれに赤彪が関わっているらしいでィ。」 真実の地を踏み締めて 私はその言葉を聞いてまた心臓が高鳴る。
赤彪。
久しく聞いていなかった名を聞いたためか昔の傷が疼く。
私はあんよ上手。
だけど行きたいところに行けないのが困る。 ← もどる
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