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「何々?幕府関係者殺人事件またもや発生、幕府恨み者現る。」


「んだそれ?」


ソファに寝転がる俺が新聞を広げ読んでる神楽に問う。


「最近ここらで起こってる事件ですよ。すごい事件らしいです。」


「……ふーん。」


小指で鼻をほじくる。


「そういえば最近凛華さん見ませんね。」


「んだなー。」


「元気にしてますかねー。」


「んだなー。」


「銀さん、会いたいんですか?」


「んだなー。………って、は?」


そこにはニヤニヤした神楽と新八がいた。


「いやいやいや。今のは違うからね。今のは、ほら、適当に流してただけで……。だから、」


「おばちゃん、そういう言い訳嫌いヨ。男ならはっきりしなさい。」


「うるせーババア。」


「工場長とお呼び!」


わーぎゃー、と戦闘が続く。


と、その時


ピンポーン


家のチャイムが鳴る。


「はーい。


あれ?凛華さん。」


「え?凛華?」


バタバタと玄関に行く。そこにはあの、凛華がいた。


「こんにちわ。近くに来たので寄らせて頂きました。」
 
 
「どうぞどうぞ。上がってください。」


新八はスリッパを準備し、お茶の準備を急ぐため台所に急いだ。凛華はお構いなくー、と言うが聞こえていまい。


「……銀さん。」


「ん?」


俺の着物の裾をきゅ、と掴みゆっくりと口を開く。


「私は荷物を預けることはできません。」


「………。」


「ですが、ぶら下げて歩いときます。」


「……は?」


にこ、と微笑む。


「ですので、もしぶら下げたものが落ちたら拾って下さいね。」
 
 
 
 
 
 
 
謎は深まるばかり
 
 
 
 
 
 
 
彼女はきっと素直ではない。

だから自分で頼んで荷物を持ってもらうのではなく、自然と落ちたものに触れさせようという魂胆だろうか。

あくまで偶然を装って。

「……御望み通り、拾ってやらァ。」

「ありがとうございます。」

その時の彼女の笑顔は最高に輝いていた。

 
 
 
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