( 2/3 ) ―――――――真夜中
最近の殺人事件もあって夜間見回りを始めた真撰組。俺と総悟は真っ暗闇を歩いていた。
「土方さん。昼間渡した奴読みましたかィ?」
「目は通した。しかしあれだな。赤彪が女ってのは本当か?」
「確かな情報でィ。攘夷志士を大量検挙した時に得た情報ですからねィ。」
「紫の瞳、か。中々いねーよな。」
「髪の毛の色までわかりゃーいんですが、その攘夷志士が見た時には既に返り血で染まってたって言ってましたしねィ…。」
「そんなに真っ赤になるまで返り血を浴びるとは。どんだけ天人斬ったんだか。」
「かなりの量だったらしいですぜ。」
「……総悟。」
「へィ。」
「お前、えれーこの仕事に首突っ込んでんな。」
「赤彪ですぜ、赤彪。ぜひお手並み拝見したいですぜ。」
「死なねー程度にやれよ。」
「もちろんでさァ。」
舌なめずりをする総悟。夜のせいか余計雰囲気を出していた。
その時、
「ギャァァァァ!!」
「「!?」」
突然の悲鳴。俺達は悲鳴の方へと走っていった。 「真撰組だァァァ!!お縄につけ、」
言葉を失った。
そこに立っていたのは顔全体に返り血を浴びた女が立っていたからだ。
「真、撰組?あぁ、あの幕府直属の組織?」
クククッと嘲笑い、舌なめずりをする。総悟よりもゾッとした。
返り血が顔全体にかかっているため確認できなかった。
「ごめんね。今日の仕事は終わっちゃった。」
クスクス、と笑う。
「仕事、だと?」
「仕事。私にしかできない私のためにある仕事。」
チャキ、と刀を鞘にしまう。俺は逆に鞘から刀を抜いた。そして構える。
「お前、赤彪か?」
「赤彪……?まあ、そう呼んでよ。」
疑問。何故疑問形が出てきた。ということはコイツは赤彪、じゃない?
「じゃあね、真撰組さん。死体処理よろしくね。」
瞬間、赤彪は俺達に石を投げつけた。顔面目掛けて。
それを咄嗟に腕でガードしてしまう。
腕を降ろした時には、赤彪はいなかった。
「赤彪、」
チッ
仕方ねーがアイツにも聞くか。本当は会いたくもねー奴だが情報のためだ。
とりあえず、これをどうにかしねーと。
俺はポケットから携帯を取りだし通話ボタンを押した。 ← もどる →
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