( 1/3 ) 私の荷物。
そもそもこれは荷物なのだろうか?いや、これは一生私が背負わなければならない糧なのだ。
私は最高に最低な罪を犯したから。
――――――――………
「土方さーん。」
ガラッと障子が開く。
仕事が溜まりすぎてイライラしてる時に仕事を押し付けた張本人、沖田総悟がきた。
「総悟!てめーは少し自分の仕事をしろ!!」
「嫌でィ。それは土方コノヤローに押し付けるためにわざと………あ。」
「てめェェェ!上等だゴラァァァ!!」
「んなことより聞いて下せェ。」
「んなことだァ!?」
総悟は一枚の資料を渡してきた。
「んだこれ?」
「土方さん。赤彪…って知ってやす?」
「赤彪だァ?んなモン知らねーよ。」
「ったく。これだから田舎モンは……。」
「オーイ。お前と同じ武州出身なんですけどー。」
「耳の穴かっぽじって聞いて下せェよ。」
赤彪。
かつて攘夷戦争で活躍した攘夷志士だと言う。
血まみれになりながらも獲物を狙う彪如く敵を斬っていく姿からその名がついたそうだ。 どうやら白夜叉とはまた別の攘夷志士らしい。
攘夷戦争終戦後、赤彪は姿をくらました。一説によるとあまりの幕府の情けない行動に自害したのではないか、とある。
「ですがねィ。ここ最近歌舞伎町で赤彪の目撃情報があったんでィ。」
「!?」
「目撃情報といっても目撃はしてねーらしく、殺人現場近くにいた野郎共に名を赤彪と名乗っていたらしいでさァ。」
「殺人現場?あぁ。最近頻繁に起こってるアレか。」
幕府関係者殺人事件。
一見高杉による事件に思えたがその時の高杉の目撃情報は京であった。
その幕府関係者は対した地位についていない奴らが始めだったが、徐々に高い地位の奴らを狙っている悪質な事件である。
「一応その資料に詳細は書いてあるんですけどねィ。」
「なるほど。犯人は幕府を恨む奴か。」
「へィ。油断してたら俺達や近藤さんがやられちまうぜ。」
「フン。んな簡単にやられるか。」
総悟はやれやれといった状態で部屋を出ていった。 もどる →
|
|