( 3/3 ) 神楽ちゃんに買ったアイスを渡し、お店を出る。
ザーッ
「…雨が降ってる。」
「まあ、朝から曇ってたしな。」
外はあの時とまではいかないが雨が激しく音を立て降っている。
「どうしよう、傘…。」
「傘、ねーのか?」
「……はい。まさか降るとは思わなくて。」
「………。」
しゅんと頷垂れる。
そういえば天気予報で午後からは降水確率80%になるって言ってたな。
そんな時だった。
「おら、使えよ。」
「え。」
開いた傘を差し出してくれる銀さん。
「2回もさすがに悪いですよ。大丈夫です。止むまで待ちますから。」
「この夕時にか?」
「うっ…。」
痛いところをつかれた。
「また返しに来い。」
「え?」
「や、だから、また来いよ。万事屋。そしたらまた…会えるだろ?」
頬を赤く染め、照れ隠しか頭を掻く銀さん。
どうしてだろう。
『また会えるだろ?』
この言葉、呪文のように私の中へと侵入してくる。
「…はい。」
それは時間的にもうすぐ夕立の時だった。 甘い呪文
「このアイス美味しいネ!!」
「買ってもらったの?よかったね。」
「( よかった。アイツらに何にも聞かれてなくて…。しっかしつい本音が漏れちまった。 )」
「( 何、どうして?また銀さんに会いたいと思う私がここにいる。 )」
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