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神楽ちゃんに買ったアイスを渡し、お店を出る。


ザーッ


「…雨が降ってる。」


「まあ、朝から曇ってたしな。」


外はあの時とまではいかないが雨が激しく音を立て降っている。


「どうしよう、傘…。」


「傘、ねーのか?」


「……はい。まさか降るとは思わなくて。」


「………。」


しゅんと頷垂れる。


そういえば天気予報で午後からは降水確率80%になるって言ってたな。


そんな時だった。


「おら、使えよ。」


「え。」


開いた傘を差し出してくれる銀さん。


「2回もさすがに悪いですよ。大丈夫です。止むまで待ちますから。」


「この夕時にか?」


「うっ…。」


痛いところをつかれた。


「また返しに来い。」


「え?」


「や、だから、また来いよ。万事屋。そしたらまた…会えるだろ?」


頬を赤く染め、照れ隠しか頭を掻く銀さん。


どうしてだろう。


『また会えるだろ?』


この言葉、呪文のように私の中へと侵入してくる。


「…はい。」


それは時間的にもうすぐ夕立の時だった。
 
 
 
 
 
 
 
甘い呪文







「このアイス美味しいネ!!」

「買ってもらったの?よかったね。」

「( よかった。アイツらに何にも聞かれてなくて…。しっかしつい本音が漏れちまった。 )」

「( 何、どうして?また銀さんに会いたいと思う私がここにいる。 )」

「「( この気持ちは何だ/なの? )」」

 
 
 
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