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「......。」


「......。」


「......ねえ。」


「......あ?」


「暇。」


「は?ちょ、なんだって? 」


「だから暇なんですけど。」


「お前ェ目腐ってんの?今俺ら何してんかわかる?」


「紙という紙に必死に被りついてる。」


「違ェだろ!勉強してんだよ勉強!」


イライラを顔に表し片手に持ったペンをくるくると器用に回す。お、上手に回してんなあ。


「つか名前、来月なんの日か知ってっか?」


「来月?......あ、わたしの誕生日だ。」


「嘘つけェェェ!お前の誕生日はまだ先だろ!来月は受験だぞ受験!」


「寿券?なにそれ美味しいの?」


「......お前と話すの本当に疲れる。」


はあ、と真っ赤にした顔を手で覆い項垂れた。わたしは彼の頭をよしよしと撫でる。この髪はふわふわとしていてキラキラと輝いていてお気に入り。


わたしと彼、坂田銀時は来月人生の山場のひとつ受験をしなければならない。そのため日々勉強をしているのだが最近受験をする意味がわからなくなったわたしはやる気をなくしている。一方銀時は焦って必死に頭の中に単語という単語を積めていた。


私たちは今わたしの部屋で一緒に勉強をしている。来月受験なのに人の家で勉強というのも可笑しな話だがそこはあまり気にしないようにしている。気にしたら敗けだ。


「ねェ、銀時はなんでそんな必死に勉強してんの?」


「あ?なんでって大学受かりてーからだろ。」


「じゃあ大学受かったら勉強しないの?」


「んなわけねーだろ。大学受かったら受かったで専門分野学ぶし。」


「専門分野って、剣道とか?」


「あぁ、まあな。」


カリカリとペンを動かし、参考書を開いてはノートに書き込みマーカーで線を引く。その行動をじっと見ていた。


「お前も俺も同じだろ?」


銀時は小学校から続けている剣道をもっと極めたいと思い、かの有名な体育大学を受験する。わたしも銀時と同じで剣道を続けていた。そして将来の夢でもある剣道日本一を目指し受験をする。


しかしここ最近受験をする意味がよくわからなくなりヤバイくらいのナーバスでやる気メーターが非常にダウンしている。


「同じ、なのかな。」


「え、なに。今更受験止めんの?」


「......さあ?でもわたしが受験止めたら銀時のライバルひとり減るよ。」


よかったね、そう言って再びペンをとり参考書を開いた。


「なにこれー。よくわかんないし。」


「......おい、馬鹿名前。」


ゴン、と頭にぶつかる何か。何事かと顔を上げたときだった。


「え、」


コロコロと床を転がる消しゴムになんて目がいかなかった。わたしが見てしまったものは悲しそうな顔でわたしを睨む銀時だった。


「な、なによ。」


「お前馬鹿、本当に馬鹿。」


「はあ?」


「俺がさ、どういう気持ちでこんな勉強してんのかも知らねー癖に今更受験止めるだァ?」


「いや、誰もそこまで言ってないし。」


「あのよ、」


ぐいっと前に出てきた銀時に少しドキッと心臓が跳ねる。


「俺はお前とここに行きたいの。名前が行くっていうから俺も頑張れたのによ、今更止めるとか言うな。」


ぴたっ、と呼吸が止まる。止まったのは短い時間だったはずだけど感じられたのは長かった。


「.....はい、わかったら勉強勉強。」


彼は転がった消しゴムを拾い再びノートに綴り始めた。顔を手で覆うのに必死だったのか赤い耳までは隠しきれていなかった。


その姿に頬が緩む。


「......仕方ない。いっちょ頑張りますか!」


今度は清々しい気持ちで参考書とペンを手にとった。







答えなんて簡単







「あ......、あった!あったよわたしも銀時も!ほ、ほら番号!」

「おー。なんとか受かったな。」

「よかったー。あの時頑張らなかったら今頃ここにいないね。」

「俺のおかげだろ。」

「......そうだね、銀時のおかげだね。」

「......けっ、急に素直になりやがって。」

「ふふっ、ありがとう銀時。」




>>> あとがき



こ、こんな感じで坂田と受験勉強すると思うのですが如何でしたでしょうか?
きっと坂田は名前ちゃんと一緒にいたいから受験勉強頑張る感じがお似合いかなと(笑)
この作品には雅さま頑張れエールを込めております!
どうか負けないで頑張ってくださいわたしも応援しております!
雅さまリクエストありがとうございました(*^O^*)/


 
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