012
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気づけば私は変死体の中心にいた。目がこちらを恨めしく睨んでいる気がする。
銀「璢、おめー。」
口をパクパクさせたまま銀髪のお兄ちゃんは固まっていた。
璢「ごめんなさい。気持ち悪いよね。」
刀をポイっと捨て、血まみれのまま歩いていった。
銀「おい。どこ行くんだよ。」
璢「とう……松陽先生のところ。」
ザッザッザッ
銀「馬鹿強ェじゃねーか。」
銀時が戦いの最中動けなかったのは怖かったわけではない。
璢のあまりに孤立した戦いについていけなかったためだ。入る隙がこれぽっちもない。
戦う姿も惚れ惚れした。まるで宙を舞う蝶のよう…。
銀「あいつまだ7、8歳ぐらいだろう?」
銀時は頭を抱えた。あんなに幼い子が一体どこで人殺しを覚えたのか。それにあの目。殺しがなれている目だ。罪悪感を失いかけている。ましてや女の子なのに。
――――――――………
その頃、璢は松陽に言いにいくため部屋探しをしていた。
璢「(さっきもここ通ったよな。)」
結果迷子になっていた。
璢「(とりあえず引きかえそう。)」
下を向く。するとそこには血でできた足跡ができていた。
璢「(……汚しちゃった。)」
赤黒く光る血の足跡を私は見つめていた。
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