012
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楽しいことは時間を忘れさす。


気づけば外は暗く、周りには誰もいなかった。


私は出てきた汗を腕で拭く。しかし一向に止まらない。拭ききれなかった汗は頬を伝う。


璢「(そういえば部屋とかどうなるのだろうか。)」


ふと疑問に思い父さんに尋ねようと足を動かした時だった。


「おい。」


声をした方向を見る。そこには数人の男が立っていた。


「松陽はどこだ。」


殺気が男達を包んでいる。


璢「……何の用ですか?」


「お前じゃねェ。松陽に用があんだよ。場所を教えろ。」


ソワッ


先程よりも殺気が強くなる。


璢「いやだ。」


「っっコイツ!!」


男達が真剣を持ちこちらに走ってきた。璢はそれをヒラヒラと蝶のようにかわす。


「ちょこまかしやがって!!」


璢「……。」


どこかに武器はないか探していた。キョロキョロとしていると遠くから声がした。


銀「あーあー。ったりィなァ。」


刀を片手に持った坂田銀時がこちらに向かっていた。


私は銀髪のところまで走っていった。


銀「あれ?璢じゃねェか、って後ろ!!」


璢「かして。」


銀髪から刀を奪う。しかしそれは真剣ではなく木刀だった。


璢「まあいいや。」


璢は銀髪の前に立ち木刀を構えた。


「はぁはぁ。武器持ったって変わりはねえ」


言葉が言い終わる前に私は男の喉目掛けて衝いた。


「がっ…!!」


カランカラン


手に持っていた真剣を地面に落とす。素早くそれを奪い、銀髪に木刀を返す。


璢「ありがとう。銀髪のお兄ちゃん。」


銀「てめェ一人は危ねーだろ!!」


お兄ちゃんは木刀を持ち私の横に並ぶ。


璢「……あぶないよ?」


銀「お前こそ危ねェだろうがッッ!!」


璢「血に染まるのは私だけでいいよ。」


銀「!!」


ザシュッ


「ぎぃやあぁぁぁぁああ!!!」


男達の悲鳴が響いた。


 
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