012
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私は体操座りをし、ずっと父さんを見ていた。時々目が合いニコリと微笑み返される。
なんか…調子狂っちゃうな。
そんなことをぼんやり思っている時だった。
「なァなァ。」
ビクンッ
突然横から声がかかった。死んだ魚の目、銀色の天パ、そして抱えるように持つ刀、後ろの襖に寄り掛かっている子がいた。
机の上には本が置いてあるが見ているそぶりはない。
「俺ァ、坂田銀時。よろしく。」
突然挨拶された。けど何日か人を殺してきてわかったことがある。それは殺気だ。この子からさっき少しだけ殺気を感じた。
璢「(ペコリ)」
私は頭を下げた。
銀「お前、本当に松陽先生の?」
璢「……はぃ。娘です。」
銀「ふーん。」
と言い、ジロジロと私を見る。それとともに殺気は薄くなっていく。
銀「まあ、仲良くやろーぜ。」
そう言い終わると銀髪の男の子は視線を外に向けた。
外は鳥が幸せそうに飛んでおり、庭に埋めてある木の葉っぱがゆらゆらと揺れていた。
松「では、ここまでにしましょう。」
その言葉と共に部屋はザワッと騒がしくなる。楽しそうな声や笑い声が堪えない。 松「璢。次は実技です。移動しましょう。」
ピクリ
私の身体は父さんの言葉に反応し、すぐさま追い掛けていった。
「ッチ。」
嫉妬されていると気づかずに。
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