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私達はワン公達からなんとか逃げられて、今は"HOTEL IKEDAYA"にいる。そこで先程の出来事がニュースとして流されているテレビを見ていた。


『――――に続き今回卑劣なテロに狙われた戌威星大使館。幸い死傷者は出ていませんが…。


え…、あっ新しい情報が入りました。監視カメラにテロリストと思われる一味が映っているとの…あ〜〜バッチリ映ってますね〜。』


そこにはいつも通り死んだ魚の目をしている銀兄、目が点になっていている璢、少し驚いている傘を持った少女神楽、ひどく不細工な顔をした新八が映っていた。


新「バッチリ映っちゃってますよ。どーしよ、姉上に殺される。」


神「テレビ出演。実家に電話しなきゃ。」


二人はテレビの前でぼやく。


新「何かの陰謀ですかね、こりゃ。なんで僕らがこんな目に。唯一桂さんに会えたのが不幸中の幸いでしたよ。」


新八は横になった銀兄に言った。銀兄は興味なさそうにテレビを見ていた。わたしも銀兄の頭に肘を乗せた状態でテレビを見ていた。


新「こんな状態の僕らをかくまってくれるなんて。銀さんと璢さんの知り合いなんですよね?一体どーゆー人なんですか?」

 
銀「ん――――。」


璢「一言でいえば……」


銀璢「「テロリスト。」」


新「はィ!?」


桂「そんな言い方は止せ二人とも。」


ス―ッと襖が開いた。


桂「この国を汚す害虫"天人"を討ち払い、もう一度侍の国を立て直す。我々が行うのは国を護るがための攘夷だ。卑劣なテロなどと一緒にするな。」


ザシッと小太兄の後ろには彼の仲間らしき人達が揃っていた。


新「攘夷志士だって!?」


神「なんじゃそらヨ。」


バリバリと神楽は煎餅を食べながら聞いた。


あーあー。食べ屑が畳の上に。


新「攘夷とは二十年前の天人襲来の時に起きた外来人を排そうとする思想で、高圧的に開国を迫ってきた天人に危機感を感じた侍は彼らを江戸から追い払おうと一斉蜂起して戦ったんだ。」


璢「でも天人の強大な力を見て弱腰になっていた幕府(バカ)は侍達を置き去りに勝手に天人と不平等な条約を締結。幕府(バカ)の中枢を握った天人は侍達から刀を奪い彼等を無力化した。


その後主だった攘夷志士は大量に粛清、された。」


新「まだ残ってたんですね…。というか璢さん詳しいですね。」


璢「まあ、常識は叩き込んでるつもりよ。」
 
 
トントンと人差し指でわたしは頭を指した。


銀「……どうやら俺達ァ踊らされたらしいな。」


新「?」


銀「なァ、おい。飛脚の兄ちゃんよ。」


桂の後ろに隠れていた飛脚の兄ちゃんは申し訳なさそうに頭を掻いた。


神「あっほんとネ!!あのゲジゲジ眉デジャウ゛。」


新「ちょっ…どーゆー事っスかゲジゲジさん!!」


璢「もしかして最近のやつも全部小太兄の仕業?」


銀「だな。最近世を騒がすテロも今回のことも。」


小太兄は自分の刀を手にし、私達に見せるように前に持ってきた。


桂「たとえ汚い手を使おうとも手に入れたいものがあったのさ。


………銀時、璢。この腐った国を立て直すため再び俺と共に剣をとらんか。


白夜叉、胡蝶楽と恐れられたお前らの力、再び貸してくれ。」


銀璢「「…………。」」


 
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