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タタタタタッ


璢「土方さん!!」


私は土方さんに駆け寄った。


土「…あぁ。美菅原か。どうした?」


璢「どうしたって"私達"の大将が護ろうとしてた物を探そうと思って。」


土「はっ。」


鼻で笑われ、乱暴に頭を撫でられ髪がぐしゃぐしゃになった。なんて乱暴な人なんだ!!ちょい天パがやばい天パに昇格してしまったではないか!


両手でせっせと髪を直していると、土方さんと目が合った。


璢「……なんですか?」


土「てめーにいくつか聞きてェことがある。」


璢「答えれる範囲ならお答えしますよ。なんですか?」


口に加えているタバコを離し、煙を一気にはく。そして瞳孔ガン開きの目をこちらに向け、静かに問う。


土「てめーは本当に何者だァ?


さっき近藤さんの傷痕を見たが完璧な応対処置だった。それに壤夷派の奴ァ捕まえる時に投げた刀のコントロール力。ありゃァ戦場を戦ってきた奴でもちょっとやそっとじゃできねェよ。」


璢「…はははっ。さすが真撰組副長土方十四郎さん。観察力なめてましたわ。」


片手で自分の額を叩き、笑う。その姿を土方さんはポカーンとした顔で見ていた。
 
 
璢「学のほとんどは父から教わった。勉強していく内に更に学に興味を持った私は父の書庫から色々な本を読み漁ったの。


その中で特に関心を持ったのが医療系でね。おかげでこーーんなに詳しく知識がついた。」


土「本を読んだだけであの対応か?」


璢「うん。実践は今回が初めてだった。」


今でも思い出す。血臭い部屋。目の前には肩が血まみれの近藤さん。苦しそうに息をしている。


そんな光景を思い出していると土方さんが頭をリズムよく叩いてくれる。きっと私が涙目なのを知っているのだろう。多分これは土方流の励ましなんだ。


土「で、もう一つの質問の答えは?」


土方さんが笑顔で聞いてくる。不思議と尋問されてる感じはしない。


璢「答えはただひとつ。」


ゴシゴシと袖で目を拭き、ニッと私は土方さんを見て笑う。


璢「私は自分の"護りたいもの"のために強くなった。"護るもの"が増えれば増えるほど私の力は大きくなる。私は"護るもの"を護るためにある存在。」


土「だから力をつけたってわけか。」


璢「うん。弱いままだと護りたいもの護れないから。」


この言葉を言った後、私はある言葉を思い出した。


璢「土方さん知ってる?」
 
 
土「あ?」


土方さんは訳がわからないという顔をして私を見て首を傾げた。


璢「真の強き者は強き魂と戦う理由を持ってる人のことを言うんだよ。」


 
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