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近「ちょっとオ、禽夜様!駄目だっつーの!!」
禽「うるさい!もう引き篭り生活はウンザリだ!!」
近藤さんは禽夜と呼ばれるカエルの天人を必死に呼び止めていた。
近「命狙われてんですよ!!わかってんですか!?」
禽「貴様らのような猿に護ってもらっても何も変わらんわ!!」
近「猿は猿でも俺達ゃ武士道っつー鋼の魂もった猿だ!!なめてもらっちゃ困る!!」
禽「なにを!!なりあがりの芋侍の分際で!!
おのれ蛇絡。奴さえしくじらなければこんな事には…。」
近「あ?ラクダ?」
蛇絡…って今言った?まさかコイツら。
その時前方から光るものが見えた。近藤さんも気づいたらしい。
璢「近藤さんんんん!!」
ドオオオン
私が叫んだ時には近藤さんは禽夜を押して禽夜の身を護った。
「局長ォォォ!!」
「チッ」
カンカンと音を立て逃げていく。
璢「野郎、逃がすか!!」
腰にぶら下げてある刀とは別に懐から短剣を取り出し奴に目掛けて投げた。
土「馬鹿野郎!!当たるわけねーだろ!!山崎!!」
次の瞬間、 「ぐぁぁぁぁああ!!」
男の嫌な叫び声が聞こえた。男は左足を抑え倒れていた。
璢「早く行って!!今なら痺れて動けない筈だから!!」
山「は、はい!!」
山崎は猛ダッシュで行った。
土「(コイツ、まじで何者だァ?)」
璢「近藤さん!!しっかり!!」
私は倒れている近藤さんに近寄った。閉じている目を開く。そして胸に耳を当てる。意識はあるようだ。
璢「ここに医務室はありますか?」
土「医務室ならあっちだ。」
そう聞いた私は近藤さんを部屋に運ぼうとした隊員を呼び止め、医務室に行かせるよう言った。
土「なに勝手なことしようとしてんだ。」
璢「うるさい。今はそれどころじゃないでしょ。もしかしたらさっき撃たれた弾に毒が塗ってるかもしれないよ?なら早く手当てして休ませたいの。どいて。」
土方は璢の威圧感に負け、押し黙った。
禽「フン。猿でも盾代わりにはなったようだな。」
その言葉を聞いた瞬間、総悟は刀に手をかけた。しかし土方さんによってそれは止められた。
土「止めとけ。瞳孔開いてんぞ。」
私も斬りかかりたかったが、今はそれどころではない。近藤さんの状態を確認しなければ。 璢「行きましょう。」
私は医務室に急いだ。
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