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こうして上手い具合に乗せられた私は1日警備を任された。もちろん真撰組の恰好をして。本当は平隊士の正装をさせられそうになったのだが、あんなダサいもの着たくないではないですか!ということで…、隊長格の制服を貸してもらいました。
沖「しっかし幕府の高官だかなんだか知りやせんがなんであんなガマ護らにゃイカンのですか?」
縁側に総悟、私、土方さん、ゴリラの順に座って話をしていた。
近「総悟、俺達は幕府に拾われた身だぞ。幕府がなければ今の俺達はない。恩に報い忠義を尽くすは武士の本懐。真撰組の剣は幕府を護るためにある。」
手に拳を作り熱く語る近藤さん。
沖「だって海賊とつるんでたかもしれん奴ですぜ。どうものれねーや。ねェ、土方さん?」
土「俺はいつもノリノリだよ。」
璢「土方さんがノリノリとかキショッ!」
土「………。」
璢「あっ、嘘です。勘弁してください。瞳孔ガン開きでこっちに刀を向けるのをやめてください。」
土「チッ。」
舌打ちをして刀をしまった土方コノヤロー。
沖「アレを見なせェ。みんなやる気をなくしちまって。山崎なんかミントンやってますぜ、ミントン。」
土「山崎ィィィ!てめっなにやってんだコノヤロォォ!!」
山「ギャァァァァァ!!」
土方さんは山崎?地味崎?を追いかけて行ってしまった。
近「総悟よォ、あんまりゴチャゴチャ考えるのは止めとけ。
目の前で命狙われてる奴がいたらいい奴だろーが、悪い奴だろーが手ェ差し伸べる。それが人間のあるべき姿ってもんだよ。」
璢「ふーん。来るもの拒まずってやつですか?なるへそ。」
するとさっきのカエルが廊下を歩いている姿が目に入った。
近「あ゛っ!!ちょっと!勝手に出歩かんでください!!ちょっとォォ!!」
ドタドタドタ
近藤さんはカエルの方へ走っていってしまった。
沖「はぁ〜。底無しのお人好だ、あの人ァ。」
璢「同意見。」
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