009
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私は勢いよく飛び起きた。しかし、


ズキッ


璢「〜〜〜ッッ。」


胸辺りに激しい痛みを感じまた布団に倒れてしまう。自分の体を見るとあちこちに包帯がぐるぐる巻かれていた。


辺りを見回す。同じように包帯を巻かれた銀兄が焦った様子で私を見ていた。


璢「ぎ、銀兄ィ?」


銀「大丈夫か、璢?お前ェすげーうなされてたぞ。」


そう言って私の頬に触れる。私の頬から離れた銀兄の手を見ると濡れていた。そっと頬を触る。濡れる。


璢「私…、泣いてるの?」


銀「見た感じはな。」


璢「そうか。……、大丈夫だよ。そんな心配な顔しなくても。ちょっと昔の夢を見てただけ。」


『昔』という単語を聞いて銀兄の顔がより一層険しくなるが見て見ないフリをした。


銀「そ、そうか。」


しかし私の顔を見て少し安心した顔になった。


するとスーッと襖の開く音がする。襖の奥からでてきたのはヅラ兄だった。


桂「ガラにもなくうなされていたようだな、2人共。昔の夢でも見たか?」


うっ。図星だ。ってか2人共?え?銀兄もうなされていたの?


銀「ヅラ?なんでてめーが...」
 
 
私は連れていかれる神楽と新八を思い出した。


璢「あっ!!そういえば、新八と神楽は!?」


銀「!!そうだ!」


立ち上がろうとした銀兄。しかし激しい痛みが銀兄を襲い布団に逆戻りした。銀兄も多少は怪我をしたらしい。


桂「無理はせぬがいい。肋骨が何本かいってるそうだ。もちろん璢もだぞ。


しかしむこうはもっと重傷だ。お前らがかばったおかげで外傷はそうでもないが麻薬にやられている。死ぬまで廃人かもしれん。」


璢「やっぱり。ハム子のくせにそんなことやってたんだ。」


桂「ハム子?というか貴様らはなんであんな所にいたんだ?」


銀「というかなんでお前に助けられてんだ?俺らは。というかこの前のこと謝れコノヤロー!」


桂「というかお前らはコレを知っているか?」


銀璢「「?」」


ヅラ兄は小さな袋に入った白い粉を見せた。


桂「最近巷で出回っている"転生郷"と呼ばれる麻薬だ。辺境の星にだけ咲くと言われる特殊な植物から作られ嗅ぐだけで強い快楽を得られるが依存性の強さも他の比ではない。


流行に敏感な若者達の間出回っていたが皆例外なく悲惨な末路をたどっている…。」
 
 
新八と神楽が連れていかれる時に見たあの表情。やっぱり吸わされていたんだ。


桂「天人がもたらしたこの悪魔を根絶やしにすべく我々壤夷党も情報を集めていたんだ…。そこにお前らが降ってきたらしい。俺の仲間が見つけなかったらどうなっていたことか…。


…というかお前らはなんであんな所にいたんだ?」


銀「というかアイツらは一体なんなんだ?」


璢「というか質問しつこッ!!」


ゴホンと咳ばらいをひとつし、ヅラ兄が口を開く。


桂「宇宙海賊"春雨"。銀河系で最大の規模をほこる犯罪シンジケートだ!」


 
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