009
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目が覚めると、私のお尻は地面についていた。
体を動かし、外に出ると外は暗く、ガラの悪い人達は寝ていた。
私は音を出さずにその場を逃げた。走って走って走って。あちこち場所を転々として。
そしてやはり悪い人達に襲われる。気づけば赤色の刀を持って赤い絨毯の上に平然と立っていた。
璢「あ、あぁ、あ。ああああぁぁあぁぁあ!!!」
初めて人を殺し、恐ろしさと快感を知った。逃げ回って1年が経過していた時だった。
そんな絶望の中、一筋の光が見えた。光は手を差し延べ言った。
「私の養子になってくれませんか?」
その言葉は私を『地獄という絶望の世界にいた私』をいとも簡単に救ってくれた。大切な…
「璢、あなたは誰のために戦うのです?」
璢「戦うのに理由がいるの?」
「理由がはっきりしていればしているほど、人は強くなれます。」
璢「……。だったら私が戦う理由はただひとつ。」
「?」
璢「父さんを、父さんのその笑顔を護るために私は戦う。」
「ふふ。私はいい娘を持ちました。」
璢「私は父さんを一生護る。例えどんなに強い敵が来ようがこの剣で斬り裂く。」 カチャッと手元にある刀を握り締める。
「璢、とてもいい瞳をしています。しかし戦いすぎて我を失ってはいけません。」
『―――――――り!!』
璢「?」
「さぁ、もう行きなさい。みんなが待ってます。」
璢「みんな?私には父さん一人だよ。」
「真の強者は強き魂と戦う理由があるものを指します。」
璢「急になに言ってるの!?わかんな『―――ぅ―――ぃ――――』!!!」
「璢。あなたは私の自慢の娘です。」
璢「とう『るりぃぃ!!!!』」
ガバッ
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