009
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璢「父さん…。」
私の父さん、義父さんは小汚い私を養ってくれた大切な人。
私には母親が一人いた。父親は記憶にない。
小さい頃は貧しいながらも笑顔を絶やさず幸せに生きていた。
しかし私が4歳の時、母親が突然重い病気にかかる。原因は長年のストレスらしい。
自分のせいだと自覚した私は働いた。4歳だから仕事にはいけないため自給自足をする。綺麗に咲いていた花庭を畑に変え朝から晩まで働いた。
そんな中、見覚えのないガラの悪い人達が私の家を行き来するのを見た。しかし私は「あんな温厚な母親が変なことをするわけがない。何かあるんだ。」と事件の匂いがし、窓からこっそり中を覗いた。
「今月分だァ。」
そういって母親に渡したのは、分厚い『なにか』だった。
母「あ、ありがとうございます。」
そういえばとふと疑問に思うことがあった。
医者が時々母親を診察に来るがお金はどうしていたのだろう?と。
きっとあの顔だけが悪い人達が母親を助けてくれているんだ。幼い私は思った。
5歳中頃。母親に急に強い発作が襲い亡くなる。
墓をたてるお金がなかったから、魂を失った母親は骨になるまで燃やした。 璢「母さん…。ごめん。」
その臭いはひどく強烈なものを放った。私は臭いに耐えれず吐く。
燃え付き『母親』を拾い、私は家に帰ろうとした。しかし後ろから腕を掴まれ動けない。振り向くと、お金をあげてたガラの悪い人達だった。
「借りた金はきちんと返さないとなァ?」
そういい私を袋につめる。抵抗はしたが、大人の力には到底及ぶものじゃなかった。
「つれていけ。」
その言葉と共に意識を失う。
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