009
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璢「ぐぅッ―――!!!」
蛇絡は銀兄に刀を一直線に剥けたが、私が前になりそれを刀で受け止める。
銀「璢ィィィ!!」
受け止めたのはいいが、所詮は男と女。力にはかなりの差があった。
璢「やッやばい!!」
ガシャン
蛇絡はそのまま押し込み、トイレの窓まで飛ばした。私達はあっけなく外へ飛ばされた。
蛇「また血ィついちまったよ。ダメだこりゃ、新しいの買おう。」
その言葉とともに意識が途切れた。
――――――――………
一体ここは――――――。
あぁ。懐かしい光景。思い出したくもない光景だ。
そこはあの壤夷戦争の戦いの後の光景だった。人や天人が倒れ血の匂いが充満し、誰ひとり生きている気配がない。
璢「銀兄?」
シンッと辺りは静まる。
璢「み、みんな?」
私の声だけがひどく響く。それがひどく悲しかった。
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