007
( 4 / 6 )




暫くすると襖が開く音がした。ツンとタバコの匂いがする。


土「ったく忙しいのによ。誰かと思えばお前か。」


璢「悪かったですねー。」


銀「ちっ。まあ今回の事はこっちでどーこーできなかったもんでね。お手上げだよ。」


土「これって…。コイツ美菅原か?」


璢「美菅原ですがなにか?」


厭味ったらしく言うとドスドスと足音が聞こえ、ぴたりと私の目の前で止まった。するとガッと頭を持たれた。


璢「な、なんですか!離しやがれー!!」


ジタバタと私は暴れる。


土「うるせェ奴だ。じっとしてろ。」


グッと口の中に何かを入れられた。甘い味がする。苺味かな。


璢「おいひぃー。」


ニヒヒと笑う私。


銀「飴で大人しくなるとか餓鬼か。ってかなんで多串君が飴持ってんの?似合わねーのに。」


土「うるせー。パトロールしてたら餓鬼から飴もらった。


にしてもコイツァ見たことねー機械だな。天人からか?ちょっと待ってろ。」


スーッパタンと音がした。どこかに行ったのだろう。


璢「どうしよう。このまま外れなかったら…。」


不安が口からでてしまった。


銀「璢……。」
 
 
璢「このままこの機械が外れなかったら私…」


不安で不安で仕方がない。もし外れなかったら目が見えないと同じ条件で戦うしかない。いや。もしかしたらもう戦えないかもしれない。


そんな不安の中だった。


沖「全くてェへんですねィ。」


銀璢「「………。」」


あれ?今の声沖田さんだよね?間違いなく沖田さんだよね?あの独特の喋り方。間違いない。


璢「いいいつからいたの…?」


沖「動揺しすぎてさァ、姉さん。『どうしよう』のところからでィ。」


つまり最初からいたわけね。この野郎。


銀「総一郎君。いるんならいるっていってよ。」


沖「総悟です。旦那ァ。それはそうと姉さんどうしたんですかィ?目隠しプレイですかィ?」


璢「違うからァァァァァ!!私、沖田さんとは違うからァァ!」


沖「そうなんですかィ!俺ァてっきりマゾだと「ふざけんなよォォォ!」」


銀「実はなかくかくしかじかなんだよ。」


沖「なるほど。つまりかくかくしかじかなんですねィ。」


璢「わかってないでしょ。沖田さん絶対わかってないでしょ。」


沖「沖田さんって気持ち悪いでさァ。総悟って呼びなせェ。」


璢「気持ち悪いって!ひどッ!!」

 
沖「おっ。その顔いいですぜ。恐怖が顔にでてらァ。」


璢「このドSぅぅぅぅぅぅ!」


土「うるせェェェェェ!!静かに待つことができねーのか、てめーらは!あと総悟!!てめー見回りはどうしたァァ!!」


沖「山崎という名の地味崎が代わってくれましてねィ。」


土「嘘だろ。てめー絶対ェ脅しただろ。ったく。近藤さん。」


するとゴリラ臭のする近藤さんが現れた。


近「がはははっ。元気があっていいな。それと璢ちゃんだよね?」


璢「はい。お久しぶりです。ゴリラ。」


近「あれ?今ゴリラって言ったよね?ぐすっ。」


璢「いいから早く見ろや。こっちは早く見えるようになりたいんだよ。」


銀「いきなり性格代わったな。オイ。」


ぐすぐす鼻水を啜りながら近藤さんは私の目隠しを見ていった。いじくっているのか時々カチャカチャという音がする。


近「こりゃぁ。厄介だな。」


土「そんなに厄介なのか、近藤さん。」


近「ああ。まず璢ちゃんの後頭部の方に鍵穴がある。この鍵が見つかればとれるんだが…。」


沖「この目隠しは天人製だから地球に合う鍵がないってことかィ?」


璢「え。てことは私一生このまま?」
 
 
銀「いや。もういっそのこと刀でぶっ壊しちまえばいいんじゃね?」


璢「銀兄。それだったら私にも被害が及ぶからね。頭真っ二つだからね。」


私は必死で銀兄を止める。だって真っ二つにはなりたくないもん。


銀「しかしどうすっかなァ。可愛い姫様のお顔が見れないじゃないかー。」


璢「なっ!」


カチャリッ


「「「「「ん?」」」」」


今何か音がしたよね?カチャリって聞こえたよ?


近「わかったぞ!」


璢「な、なにがァ!?」


近「璢ちゃんが最上級の照れまでいったら解除される仕組みなんだ!」


なんだァァァァァァァ!その仕組み!!意味わかんないんだけど!


璢「じゃあもうとれますか!?」


近「い、いや」


 
[ ] [ もどる ] [ ]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -