006
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ガチャ
私は車の左ドアを開け、外に思いっきり出た。
バ「なっ!!外に逃げおった!!」
私は地面に叩きつかれると思いきや痛い思いはなく、かわりに浮遊感がした。
銀「王子様登場〜。」
璢「さすが天パ王子様。」
背中が暖かい。それに首の回りになにかごついものがある。多分私は銀兄に背中から抱きしめられているのだろう。
銀「ったく。心配かけんなよー。銀さんびっくりしちゃったじゃん。気づいたら定春と璢がいないんだからさァ。」
璢「ごめんごめん。私もまさか誘拐されるとは思わなくてさァ。とりあえずコレとってよ。」
私は目隠しを指差した。
銀「いやァ。それがよ…………」
璢「?」
銀「さっきから外そうとしてるのに外れないんだわ。」
璢「え?」
What?いま何て言ったよ?
銀「また後でゆっくり外すわ。」
あっ、なるほど。今車の上でガタガタしてるから上手く外せないってわけね。
ってどんだけ頑丈な目隠しだよ!
璢「しばらくは嗅覚頼りだなぁ。」
くんくんと鼻をひくつかせる。
銀「ぷ。犬みてぇ。」
璢「なっ!!犬じゃないよ!」
銀「はいはい。ほら。つかまってろ。」
ぎゅっと肩を持たれ、固い胸板に引き寄せられる。ほんのりと甘い香りがした。
銀「いくぞ!!」
ふわりとまた先程の浮遊感が私を襲う。
璢「えっえっ!?わぁぁぁぁ!!」
ドスン
ドガ
バギッ
定「ワン♪」
神「定春〜〜〜〜〜!!」
一体何があったのか目が見えない私はわからなかった。でも声を聞く限り事件は解決されたようだ。
よかったね、神楽。
さぁ、新たな問題が1つ。
この目隠し……………
どうしよう…(泣)
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