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バ「すごいものを手に入れてしまった。前回来た時はひどい目にあったがこれでペスを失った傷も癒えるというもの。


のう、じぃ?」


ペスってアイツか。タコ野郎か。あいつのせいで私達はどれだけ迷惑したか…。


璢「んっ…。」


やっと瞼の重さがなくなった。

目を開けると真っ暗だった。


璢「なにこれェェェェェ!?真っ暗なんですけどぉ!!」


バ「おっ、起きたか?娘よ。」


璢「その声はバカ皇子か!!なにこれ目隠し!?」


手は自由だが足は縛られていた。なぜ手だけが自由?


バ「バカとは…。まあよい。貴様は余のコレクションのひとつになるんじゃ。のう、じぃ?」


ジ「左様で。」


璢「キモいわ!!だァれがあんたのコレクションになるかってんだ!私はモノじゃない!!」


こんなもの扱いされたら誰だってキレるわ!畜生!!


バ「吾輩のコレクションになれるだけでも幸せなことなのにの〜。のぅ、じぃ?」


ジ「左様で…!!ギャアアアアアアア!!ゾンビだァァァァ!!」


璢「えぇぇぇ!?ゾンビィィ!?ちょっ誰かぁ!」


私は大のお化け嫌い。透明なものは平気なんだけど物体があるやつは大嫌い。 

 
銀「オ――イ。車止めろボケ。」


璢「ぎ、銀兄!?」


なんだ。ゾンビって銀兄のことか…。たしか、片目が包帯で隠れているからそういう風に見えたのかも。


銀「こいつは勘弁したってくれや。アイツ相当気に入ってるみてーなんだ。あと、どさくさに紛れてうちの璢ちゃん誘拐するのやめてくれるぅ?」


ジ「何を訳のわからんことを。どけェ!!前が見えねーんだよ、チクショッ!!」


私は気づかれないように足に巻いてあった縄をとる。


あとは目隠しだけだが特殊なやつなのか簡単には解けないようになっていた。


畜生。面倒臭いことしやがって。


神「うオオオオオオ!!」


璢「神楽!?」


この唸り声は神楽しかいない。


神「定春を返せェェェェェェ!!」


バ「誰だ!定春って!?」


璢「車の上にいるやつのことよ!!」


どうしよう。きっと神楽のことだからこのまま車を吹き飛ばすに違いない。


けど私も車乗ってるからね!?一緒にドボンは嫌だよー!


銀「神楽待て!!車の中に璢がいるぞ!」


神「璢がアルか!あいつら許さないネ!!」


ドドドドドドッと走る音が聞こえる。やばい、神楽が来たぁぁぁぁぁぁ! 

 
すると車の左からコンコンと音がする。その音はリズムをとっているように聞こえる。


璢「(ニヤ)」


ふふふっ。意味がわーかった♪


再びノックがする。


コンッ





コンッ





ゴンッ





 
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