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神「定春ぅ〜!!こっち来るアルよ〜!!」
ドドドドドドッと音と共に神楽を追い掛ける定春。いやあ。元気だなー。
銀「……いや〜〜。スッカリなついちゃって。ほほえましい限りだね。新八君。」
新「そーっスね。女の子にはやっぱり大きな犬が似合いますよ。銀さん。」
銀「僕らにはなんでなつかないんだろうか、新八君。」
新「なんとか捨てようとしているのが野生のカンでわかるんですよ、銀さん。」
銀「なんでアイツにはなつくんだろう、新八君。」
新「なついていませんよ、銀さん。襲われてるけど神楽ちゃんがものともしてないんですよ、銀さん。」
銀「なるほど。そーなのか、新八君。」
璢「そのやりとり面倒臭くない?」
タタタとこちらに走り、ベンチに座る神楽。
銀「楽しそーだな、オイ。」
神「ウン。私動物好きネ。女の子はみんなカワイイもの好きヨ。そこに理由はイラナイ。」
銀「…アレ、カワイイか?」
ドドドと神楽に突進をしてくる定春。そして神楽は吹っ飛ばされる。
神「カワイイヨ!こんなに動物になつかれたの初めて。」
新「神楽ちゃん、いい加減気づいたら?」
パカと定春に飛び蹴りをかます神楽。
神「私、昔ペット飼ったことアル。定春1号。ごっさ可愛かった定春1号。私もごっさ可愛がったネ。
定春1号、外で飼ってたんだけど、ある日私どーしても一緒に寝たくて親に内緒で抱いて眠ったネ。そしたら思いの他寝苦しくて悪夢見たヨ。散々うなされて起きたら定春…カッチコッチになってたアル。」
ぐすっと泣く神楽。
泣けばいいのか笑えばいいのかわかんないんだけど…
神「あれから私動物に触れるの自ら禁じたネ。力のコントロール下手な私じゃみんな不幸にしてしまう。 でもこの定春なら私とでもつり合いがとれるかもしれない…。 コレ、神様のプレゼントアル。きっと…。」
神楽。そんなに辛い思いしてたんだ。
神「あ。酢昆布きれてるの忘れてたネ。ちょっと買ってくるヨ。定春のことヨロシクアル。」
銀「オイ、ちょっとまっ…」
さっきのは前言撤回。これから私らが辛い思いをするんだ…。
後ろを恐る恐る振り向くと舌を出した定春。
璢「ははっ…。ははは……。」
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