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『――――――え〜、続いてのニュースです。先日来日した央国星のハタ皇子ですが、新設された大江戸動物園を訪れ〜』
テレビの中にはハタ皇子が生意気な顔をしたコアラを抱いている映像が出ていた。
新「銀さん、銀さん。あの動物好きのバカ皇子、またこっちに来たんスね。」
モップを片手に新八は銀兄に話しかける。しかし呼ばれた当の本人はジャンプを顔にのせ居眠り中だった。
新「え。無視ですか?ちょっ無視ってひどくないですか?」
璢「新八、諦めなよ。新八は無視される存在なんだ。」
新「なにその存在!?いらないよ!!そんな馬鹿にされた存在!!」
璢「はっ!!待てよ。無視される存在なんだから最初から存在してないことになるのでは…。」
新「もうやめてェェェ!!ただでさえ陰薄いのにィィ!!」
璢「認めたよ。ついにコイツ認めたよ。ぷぷぷ。」
そんなやりとりの中、神楽が帰ってきた。
神「ただいまヨ〜。」
新「あっ。おかえり。トイレットペーパー買ってきてくれた?」
璢「私が頼んだ華魂はぁ?」
私が頼んだ"華魂"とは江戸で人気の女性雑誌。可愛い着物とか特集記事みたいなのもちょこちょこ載っている。 一応私も女の子だからこういうのは興味あるわけで。
神「はいヨ。」
トイレットペーパー1ロールを新八の手に渡す。そして私にはエロ雑誌、胸魂を渡す。
新「…神楽ちゃん。あのさァ…普通何ロール入った奴買ってくるんじゃないの。 これじゃあ誰かおなか壊したら対応しきれないよ。」
璢「ってか神楽。あんたよくエロ雑誌買う勇気あったわね。確かに一文字違いだけどさ。違うよね?」
神「みんなしてガタガタうるさいアルな。買ってきてあげたんだから文句言うなアル。」
璢「いやいやいやいや。頼まれたお使いをちゃんとできてからその言葉言おうよ。ってかこの雑誌いらねー。やっぱここは育ち盛りの男の子に…」
新「いりませんよ!!僕そういうのいりません!!」
璢「えー。素直になろうよ。新八。あっ銀兄おはよう。ってどうしたの?」
銀兄はこちらを見て目をごしごしと擦っている。
あー、虫でも入ってきたのかな?そう思って玄関の方に進んだときだった。
ぽふっ
柔らかい毛にあたった。不思議思ってそのそいつを見上げると。
璢「なにコイツゥゥゥゥ!?」
白いでかい犬がいた。 神「表に落ちてたアル。カワイイでしょ?」
銀「落ちてたじゃねーよ。お前拾ってくんならせめて名所のわかるもん拾ってこいや。」
神「定春。」
新「今つけたろ!明らかに今つけたろ!!」
璢「あっ首輪になにか挟まってる。新八パス。」
ぽいっと私は新八に紙を投げた。それを慌てながらでも見事にキャッチした。
新「えーと…。万事屋さんへ
申し訳ありませんがウチのペットもらってください。」
銀「…………それだけか?」
新「(笑)と書いてあります。」
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