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そんな尋常な勝負の中ゴリラが間抜け声を発した。
ゴ「あれェェェェェェ!?」
ゴリラが持っていた洞爺湖には刃がついていなかった。もちろん刀を交じる前にはちゃんとあった刃。
ゴ「ちょっと待て!!先っちょが…!!
ねェェェェェェェェェェェェェェ!!」
ゴリラは刃がないので銀兄の攻撃は受け止められず、大きな叫び声と音と共にゴリラは吹っ飛んでいった。
橋の上で私と妙さん以外ドン引きだった。まっ、あんなのを急に見たら普通引くよね。
銀「甘ェ…。天津甘栗より甘ェ。敵から得物を借りるなんざよォ〜。」
璢「銀兄ィ〜。その木刀どうしたのォ?」
銀「あ?これか?厠で削っといた。ブン回しただけで折れるぐらいにな。」
ゴ「貴様ァ、そこまでやるか!」
苦しそうに言うゴリラをこの世で一番腹立つ顔で銀兄は見下ろしていた。
銀「こんなことのために誰かが何かを失うのはバカげてるぜ。すべて丸くおさめるにゃコイツが一番だろ。」
ゴ「コレ…丸いか?…」
ゴリラは屍となった。そして銀兄は自慢げに橋にいる私達に言ってきた。
銀「よォ〜。どうだい、この鮮やかな手ぐ…ちゃぶァ!!」
かっこよく決めたかった台詞を全部言い終える前に攻撃を受けた。もちろん攻撃したのは先程ドン引きしてた新八くんと神楽ちゃん。橋の下に降りてからも銀兄を攻撃し続けた。
やれやれ。ふたりともまだまだ餓鬼だな。
新「あんなことまでして勝って嬉しいんですか!!この卑怯者!!」
ガッ
神「見損なったヨ!!侍の風上にも置けないネ!!」
ゴッ
銀「お前姉ちゃん護ってやったにそりゃないんじゃないの!!」
二人は攻撃をやるだけやりゴリラと一緒に屍となった。
神「もう帰る。二度と私の前に現れないで。」
新「しばらく休暇もらいます。」
妙「フフ…。」
璢「全てを丸く…かァ。銀兄らしいや。」
妙「ええ。なんだかんだで銀さんが一番泥を被っちゃったわね。」
璢「きっと不器用なりに出した答えがこれなんだよ。」
妙「そうですね。じゃあ帰りましょうか。」
こうして妙さん争奪戦は幕を閉じたのだった。
→おまけ
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