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それから私達は子供達を外に出させた。神楽は相変わらず子供達と遊んでいる。


そんな様子を縁側に座り見ていた。


銀「オイオイ、いいのかよ。どこの馬の骨ともしれん奴に茶なんか出して…。鬼退治に来た桃太郎かもしれねーぜ。」


道「あなたもいいのですか?血生臭い鬼と茶なんぞ飲んで。」


璢「だったら私も同じだ。」


ニッ、と歯を出し道信に笑いかけた。


銀「それにこんなたくさんの子供に囲まれてる奴が鬼だなんて思えねーよ。一体この子たちは?」


道「みんな私の子供たちですよ。」


銀「あらま〜。若い頃随分と遊んだのね〜。」


道「いえそういう事では…。みんな捨て子だったのです。」


璢「孤児…。まさかこいつら養うためにあんなことを…。」


道信は1歳ぐらいの赤ん坊を抱き、答える。


道「私がそんな立派な人間に見えますか?この血にまみれた私が…。」


銀「…アンタ一体。」


道信さんは言った。


自分は今も昔も変わらずの人斬りで、腕っぷしだけが取り柄だった。その腕に目を付け買われた連中、それが煉獄関。


道「…あなた方は煉獄関を潰すおつもりのようだ。悪いことは言わない。やめておきなさい。幕府をも動かす連中だ。関わらぬのが身のため。」


銀「鬼の餌食になるってか?それはそれで面白そうだ…。」


璢「本当だね。血が騒ぐよ。」


そう言った私の口元は笑っていた。


道「璢、さんでしたよね?」


璢「はい。」


道「……我を忘れてはいけませんよ。」


ドクンッ


心臓が高鳴った。


道「どうやらあなたも鬼を飼っているらしい。けどそれを野放しにしてはなりません。ちゃんと首輪をつけて飼い馴らして下さい。」


璢「……どうして急に。」


道「この方は闘心が見られない。しかし気配を隠すのがお好きなようだ。」


そう言い銀兄を見る。銀兄は罰悪そうな顔をしていた。


道「それに比べてあなたは獣だ。闘心剥き出しで触れれば最後喰われる。そんな気配だ。」


璢「よくおわかりで。」


道「何人も人を殺めてきたのでこのぐらい察っせます。」


璢「………。」


道「璢さん。」


道信さんは悲しい笑顔を向けてきた。


道「あなたが獣に喰われぬよう祈っております。」


璢「……はい。」


こうして鬼道丸こと道信の調査は終わった。用事もないので私達は廃寺を後にする。


道信さんの言葉を頭の中で繰り返しながら。


これが道信さんと最後の会話になるなんて。
 
 
 
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