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( 5 / 5 ) 璢「う、わぁ。」
私達は個室へと案内された。イスに座りキョロキョロする。
すると料理がテーブルいっぱいに運ばれてきた。どれも高そうな和食ばかり。
璢「そそそそそ総悟くん?」
沖「吃りすぎでさァ。」
総悟は笑いながら高級料理を食べていく。
璢「や、だって、これ高いんじゃ……。」
沖「別にいいんでィ。給料の使い道ねーし。」
淡々と話す総悟。とりあえず無理はさせなかったみたいで安心した。
それに、と付け加える。
沖「璢の幸せな、その、顔が見れたら、それで、いい。」
璢「………。」
あれ?私の目の前にいる人、沖田総悟くんですよね?こんな顔真っ赤にする人でしたっけ?あれ?これ今までの仕返しをするチャンスじゃね?
璢「あれれー?総悟くんどうしてそんなに顔が真っ赤なのー?」
ニヤニヤしながら話す私を総悟は睨みつける。しかし顔が真っ赤なため迫力があまりない。寧ろ可愛い。
沖「Sは打たれ弱いんでィ。」
璢「あれ?私なんか攻撃したっけ?」
これは素の疑問。そんなことした覚えはないんだが……。
沖「無自覚ってのが1番怖いねィ。」
璢「え、私なんかしたの?つかした前提に話してるよね?」
沖「……さ、食べやしょう。」
ごまかし逃げようとする総悟。そんなやつに反撃しようと何か言い返そうとした時だった。
沖「ちなみに言っときやすけど、ココ高級レストランじゃないんでィ。」
……………。
は?WHAT?
沖「1時間でこれ全部食わねーとこの食事分の会計■■■■■■円を払わなきゃいけないんでィ。」
璢「え!?総悟大丈夫なの!?」
高いじゃん!やっぱここ高級レストランだよ!!
沖「璢ィ。」
璢「はははははい。」
怪しい笑みを浮かべる総悟に固まる私。
沖「食わなかったら、(ここは卑猥な言葉で埋め尽くされてます。)」
璢「食べさせていただきますぅぅぅぅ!!」
このあと必死に食べたのは言うまでもない。
てかコレデートだよね?なんでデートなのにこの落ち?
悲しいじゃねーか、銀兄達に報告できねーじゃねーかよ。なんのために自分頑張って化粧とか頑張ったんだよ。目の前が霞んじゃってるよオイ。 あの素直じゃない総悟を見れたのは楽しかったな。けど恥ずかしかった。よくあんな嘘、吐けるなァ。
沖田が言った素直な言葉を嘘だと思っている璢。しかしそれが本当のことだ、ということはいつかの日に知ることになるだろう。 [ ← ] [ もどる ] [ → ] |
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