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新八が目をやったその先には


新「ぎゃああああああああああ!!


璢「でたあああ!!


先程銀兄と土方さんの肩に乗っていた幽霊(実体)が覗いていた。


新「スンマッセン!!とりあえずスンマッセン!!マジスンマッセン!!」


新八は頭を打ち付けるように土下座していた。


璢「もうやだァ。」


あまりにも怖すぎて私はとうとう泣き出してしまった。


璢「ふぅぇぇん。銀兄ィィ。幽霊ぐらい倒せよコノヤロー。」


沖「………。」


横にいた総悟が手を握ってくれる。


璢「!!!?」


沖「大丈夫でィ。幽霊はもういなくなりやした。」


気がつけばそこには地面にぶっ倒れている神楽と新八の出ていく姿があった。


璢「え、新八。待ってよ。」


私も行こうとして立とうとしたが総悟が手を離してくれない。


璢「総悟も行こうよ。新八一人は危ないよ。」


沖「別にあいつは一人でもやっていけまさァ。」


璢「え、でも。」


沖「いいから。まだ怖いんだろ?もっと恐怖に満ちた顔を見せろィ。」


璢「ちょ、勘弁しろよ。今私きゅんってきたのに。返せよ。私のきゅんっ返せよ。」


沖「きゅんっ?それは豚語ですかィ?」


璢「豚語じゃねェェェ!!」


こうやってひどいことをいってきたりしてきたが、手は絶対に離してくれなかった。


璢「……総悟。」


沖「なんでィ。」


璢「手、離そうよ。」


沖「………やだ。」


璢「手汗が!!手汗がやばいの!!」


沖「大丈夫でさァ。」


そういってぎゅっと強く握る。


懐かしい。なんで懐かしいんだろう。ああ、そうか。


晋兄のことを思い出しているからか。


忘れよう忘れようと必死に心の中の蓋を閉じようとするのに、日常の些細なことで飛び出してしまう。


でも今ここにいるのは晋兄ではなく総悟。総悟なのだ。


璢「……ありがとう。」


彼なりの優しさを受け止めよう。


沖「…………。」


総悟の横顔を覗いたら、ほんのり頬が赤く染まっていた。それを見て何故か微笑ましくなる。


そして私達は倉庫で眠ってしまってた。
 
 
 
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