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( 3 / 6 ) ――――――その次の日の朝
土「ひでーなオイ。これで何人目だ?」
沖「えーと、十八人目でさァ。」
土方と沖田がいる場所、屯所の寝床。そこには十八人もの隊士がうなされながら寝ていた。
沖「隊士の半分以上がやられちまったわけですね。さすがにここまでくると薄気味悪ワリーや。」
土「冗談じゃねーぞ。天下の真撰組が幽霊なんぞにやられてみんな寝こんじゃまっただなんて。恥ずかしくてどこにも口外できんよ。情けねェ。」
近「トシ…、俺は違うぞ。マヨネーズにやられた!」
土「余計言えるか。」 ―――――――………… とりあえず寝床を後にし客間でお茶を飲む三人。
沖「みんなうわ言のように赤い着物を着た女といってるんですが。稲山さんが話してた怪談のアレかな?」
土「バカヤロー。幽霊なんざいてたまるか。」
近「霊を甘く見たらとんでもない事になるぞトシ。この屋敷は呪われてるんだ。きっととんでもない霊にとり憑かれてるんだよ。」
土「…何をバカな…。」
そこで土方は思い出した。昨日の夜、屯所の屋根のところに見えた女の姿を。
土「いや…、ナイナイ。」
山「局長!連れて来ました。」
近「オウ山崎。ご苦労!」
山「街で捜してきました拝み屋です。」
山崎から紹介を受けた四人。
メガネに頭を隠すように布を被った男とやはりメガネでキョンシーの恰好をした女の子、チャイナドレスにサングラスの女、そして顔を包帯で巻いて笠を被った奴らだった。
土「なんだコイツらは…。サーカスでもやるのか?」
近「いや。霊をはらってもらおうと思ってな。」
近「オイオイ冗談だろ。こんなうさん臭い連中…。」
「あらっ。お兄さん背中に…。」
土「なんだよ…。背中になんだよ。」
包帯グルグル巻きの男が土方に向けて言う。包帯男はキョンシー女の子とチャイナドレス女とこそこそ話しはじめた。
ゴニョゴニョ
「ププッ。ありゃもうダメだな。」
「末期だな、末期。ざまあみろってんだ!ふふ。」
土「なにコイツら。斬ってイイ?斬ってイイ?」
近「先生、なんとかなりませんかね。このままじゃ恐くて一人で厠にも行けんのですよ。」
「任せるネ、ゴリラ。」
近「アレ、今ゴリラって言った?ゴリラって言ったよね?」
「気のせいだよ、ゴリラ。」
近「……今日耳掃除しようかな。」 [ ← ] [ もどる ] [ → ] |
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