017
( 7 / 7 ) なんとかあそこの場所から逃れられた私達は太助をおぶっているハム子を見送ろうとしている。
ハ「マジありえないんですけど。太助助けてくれって言ったのに何でこんなことになるわけ〜?」
銀「ありえねーのはお前だろ。どーすんだソレ。」
新「言っとくけどそれは焼いても食べれませんよ。」
ハ「お前ら最後までそれか。」
銀「コイツ逃すと彼氏なんて一生できなさそーだからか?」
璢「世の中には奇跡っつのがあるのよ。」
ハ「そんな哀れみにみちた奇跡はいらねー。こんなヤツに付き合えるの私ぐらいしかいないでしょ…。
あ、あんた。」
璢「わたし?」
ハ「そうよ。今度超超超超超カッコイイ元カレ見せなさいよ。」
璢「…………ハハハ。考えておくわ。」
そう言ってハム子は立ち去っていった。
銀「なァ、璢。あの剣技どこで覚えた?」
帰り道。遠くにいる新八と神楽を見つめながら聞いてきた。
璢「いやァ、なんかさァ。急に父さんの声が頭響いてさ!そん時に教えてもらった。試したのは初めてだったよ。」
銀「……ふーん。」
あんまり追求してほしくない。そんなのが顔にでていたのだろう。それ以上は聞いてこなかった。
銀「あ!あとよォ!!」
銀兄は険しい顔を私に近づけた。
璢「な、なに!?」
銀「元カレって誰だ?」
ドキッと心臓が跳ねる。
璢「だだだだだ誰かなァ?」
銀「オイコラ。逃げんじゃねーぞ。」
ガシッと首根っこを掴まれる。もう逃げはできない。
璢「え、えェェとォ。」
なななな何て言おう。まさかアイツだなんて言えないし。
あ、そうだ。
璢「その場のノリだよ!」
銀「あぁん?」
璢「その場のノリだから元カレどころか、カレもできたことないもん!!」
銀「……………そーか。」
ホッ
なんとかなったわ。
夕暮れ時、頬を染めながらそのことを考える私であった。 [ ← ] [ もどる ] [ → ] |
|