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――――――......


銀「なあ、璢。」


璢「ハッ、ハッ。何?」


素振りをしている時、銀兄は話し掛けてきた。


今起きたのだろう。寝癖?が半端ない。と言ってもお昼だが。


銀「お前って、なんのために剣振ってんだ?」


璢「ハァ、ハァ。」


素振りを止め、縁側に座っている銀兄の隣に座った。


璢「私さ、父さんに拾われてすごい幸せだよ。」


銀「おぅ。」


璢「拾われた時にさ、何のために剣をとるって聞かれてた。初めはこの人の笑顔を護るためにって思った。」


銀「おぅ。」


璢「だけどここ来て銀兄や小太兄、晋兄達と出会って護りたいものがまた増えていった。」


銀「おぅ…。」


璢「父さんが私を養子にしてくれたことで『家族愛』を教えてくれた。私はそう思う。」


銀「あぁ。」


璢「私はこれからできるだろう、護りたいものを必死に護って生きていきたい。だからそのために剣を振るう。」


銀「そ、かァ。家族、か。」


璢「?」


銀「……家族でも恋はできるか?」


璢「恋、かァ。私よくわからないからなぁ。」


銀「そうか…っっ!!」


銀兄は勢いよく立ち上がりそして言った。


銀「じゃあ俺も家族のためにいっちょ頑張ろうかな。」


璢「……うん!!お互い頑張ろう!!」


恋。


そんなのこの頃の私にとっては無縁に近い存在だった。


その頃はね。
 
 
 
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