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璢「う、わあ!!」


あるところ、そこは塾から少し離れた場所にある。星がよく見えるところ。


今日は何故か一段と星の輝きが違う。まるで星の川が空にあるみたいだ。


璢「し、晋兄晋兄!!これいつもと違うよ!!」


ぴょんぴょん、興奮している私は飛び跳ねる。


晋「お前、天の川知らねェのか?」


璢「天の川?なにそれ?」


晋「クククッ。今時そんな奴もいたんだなァ。」


ドサッとその場に座り込む。私も晋兄の隣に座る。そして空を見上げる。


晋「あそこにはなァ、織り姫と彦星っつー奴らがいてな。この7月7日の時だけ会うことができる。あの天の川を渡ってな。」


璢「ふふふっ。なーんかロマンチックだね。」


キラキラと天の川は先程よりも輝いている気がした。


璢「織り姫と彦星、会えたかなァ。」


晋「さァな。」


璢「会えたらいいな。」


晋「あぁ。」


人肌が恋しくなった私はきゅぅっ、と隣にいる晋兄の手を握る。晋兄はそれに答えるように手を絡ましてくれる。


手が絡んでくるとは思わず引っ込めそうになったが、それを許してくれない。


自分から絡ませといてなんだが恥ずかしくなってきた。きっと今の顔は真っ赤だ。


晋「なんだァ?今日はえれェ積極的じゃねーの。」


璢「ちちちち違う!!」


晋「なにが違うんだァ?」


繋いだ手を上げられ目の前に持ってこられる。しっかり手を握っている私と晋兄の手があった。


璢「や、その、えっと。」


と、その時だった。


チュッ


リップ音が鳴る。頬に感触が残っていた。


晋「今日はこれぐらいにしといてやるよ。」


ニヤッ、とニヒル顔で言われた。


男慣れしていない私は当然恥ずかしいわけで。きっと顔は真っ赤。


璢「か、帰る!!」


晋「んだよ。年に一度の天の川だぜェ?」


璢「〜〜〜〜〜〜。」


晋兄は知っている。私が季節限定に弱いのを。


璢「も、少し、見る。」


晋「ククッ。」


結局はあなたの思い通り。
 
 
 
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